内容説明
現代人の食生活に欠かすことのできない、砂糖。砂糖きびを原料とするその製法は、後一世紀に北インドで始まり、その後、東西世界へと広まった。中東イスラーム世界からヨーロッパへと伝えられた砂糖が、のちに世界史を動かす一大商品になることは、あまりにもよく知られている。では、砂糖はイスラーム世界でいかに普及し、またいかなる役割を果たしたのだろうか。本書は、この重要な問いに答えるため、膨大なアラビア語史料を駆使して、砂糖きび栽培、砂糖生産と交易、政治権力の関与、医学・食との関わり、などを解明する。ひとつの“もの”を通してえがくイスラーム社会史であり、従来の「砂糖の世界史」に新局面をひらく貴重な実証研究である。
目次
第1章 砂糖生産のはじまりと拡大
第2章 赤砂糖から白砂糖へ―製糖の技術
第3章 ラクダと船に乗って―商品としての砂糖
第4章 砂糖商人の盛衰
第5章 薬としての砂糖
第6章 砂糖と権力―賜り品と祭の品
第7章 食生活の変容
著者等紹介
佐藤次高[サトウツギタカ]
1942年、神奈川県生まれ。1968年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。東京大学文学部教授をへて、現在、早稲田大学文学学術院教授、イスラーム地域研究機構長、財団法人東洋文庫研究部長。アラブ・イスラーム史専攻。2006年から「NIHU(人間文化研究機構)プログラム イスラーム地域研究」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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