この星は、私の星じゃない

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  • サイズ B6判/ページ数 274p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000229661
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C0036

内容説明

この星は、私の星じゃない―。1970年代初頭、田中美津の思いに多くの女たちが共感し、日本のウーマンリブが始まった。リブの旗揚げから半世紀を経たいま、その胸中に去来するものは?30年以上にわたって鍼灸師の仕事を続ける傍ら、東日本大震災、永田洋子の死、相次ぐ子どもの虐待などをめぐって折々に紡いできた言葉を、この1冊に編む。

目次

1 震災後を生きる(生きてなきゃ、笑えないんです。;生き延びていくということ;いまここの「いのち」を生きる(聞き手 千田有紀))
2 いのちを見つめて(猫と暮らす;子どもの虐待を生む悲しい不条理―「女の幸せは男しだい」という思い込みの罠;この子は一目で私がわかったんだよ)
3 ここにいる私(“ここに居る女”から;女でありすぎた彼女―永田洋子死刑囚の死に;女たちよ、笑いと生命力あふれる「ムネハダケ」た存在に;「リブ」は何を変えたのか(聞き手 千田有紀))
4 女たちとの対話―未来を掴んだ女たち(聞き手 北原みのり、上野千鶴子)
5 またいつか、どこかで―往復書簡 人が変わっていくということ(田中美津、伊藤比呂美)

著者等紹介

田中美津[タナカミツ]
1943年、東京都文京区生まれ。1970年代初頭に始まったウーマンリブを牽引。1975年の国際婦人年世界会議をきっかけにメキシコに渡り、4年半暮らす。帰国後、鍼灸師となり、82年治療院「れらはるせ」を開設(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

45
『とり乱しウーマン・リブ論』の鍼灸師・美津さん。まだ過去の人ではないんだ、と嬉しく読む。装丁が「しみじみといい感じ」で、出版は岩波。目次で、対話者に上野千鶴子、往復書簡の相手が伊藤比呂美と。やるねぇ。何といってもタイトル名が、響いた。そして、この文章――。<私はいったい何者で、どこに行こうとしているのか。「この星は、私の星ではない……」と思うことで、焦燥と混沌の海で溺れそうになっている自分を、私は赦した。そうしないと、私は生きてこれなかった>。この感性に惹かれて、長く著者の本を愛読してきたんだなぁ、と……2019/08/16

とよぽん

35
田中美津さんの著書は2冊目。この本のタイトルもなかなか刺激的だ。サブタイトルに「A search for a better world.」とある。70年代リブ活動の出発点やベトナムの子供たちの救援活動について、田中さんの考えや行動が語られていた。文章だけでなく、インタビューや対談も濃い。美津さんは自分のぐるりのことから感じたことを、自分の言葉で語っている。辺野古で座り込むツアーを主宰し、ガマに入るたびに「沖縄をこのままにしては死ねない」という思いが強くなると言う。まさに、行動の人だと思った。 2020/03/31

minazuki

20
田中美津さん。生まれた時からいろいろ背負いこんで、「なぜ、私だけが」という思いを「この星は、私の星じゃない」とすることで生きのびてきた。50年近く前ウーマンリブの運動をはじめた。その後もいろいろあって、鍼灸師になり30年以上。/ 上野千鶴子さんとの対談で、リブの運動と歴史を語っている。リブが達成したことはという問いに、「ないんじゃないの。すべては現在進行形だもの」/読みながら当時の熱気を思い出した。ウーマンリブの運動からいろんな事が変わってきた思う。私自身ずいぶん生きやすくなったと思っている。 2019/12/07

チェアー

12
ウーマンリブとフェミニズムの違いもよくわからいわたしが、えらそうに評なんか書いちゃいかんのかもしれないけど。上野千鶴子との対談が面白い。上野が挑発的で、それをのらくらと筆者がかわす。伊藤比呂美との往復書簡も不思議。気があっているのか険悪なのかわからず、話も噛み合ってないし。 女性をめぐる状況はこの数十年、よくなっているのか悪化しているのか、よくわからない。なら、あのウーマンリブは何をもたらしたのだろう。そして、男も女も、好むと好まざるに関わらず、この星の上に立って行きていかねばならない。2019/08/23

いち

2
タイトルに惹かれて手に取ったので、田中美津さんのこと全く知らなくて圧倒された。『82年生まれ、キム・ジヨン』の後に読んだのは運命だな。「嫌いな男にお尻は触られたくないけれど、好きな男が触りたいと思うお尻はほしい。○か×か対立させて考えるのではなく、矛盾した自分をまるごと肯定するところから出発する」この言葉がとても刺さった。2020/09/03

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