出版社内容情報
京都大学原子炉実験所を定年退職した小出裕章さん。満員の聴衆を魅了した「定年前最後の講演」を完全収録。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
36
70年代軽水炉型原発が運転され始め、軽水炉時代の幕開け。伊方原発設置許可取り消し訴訟は73年~(6頁)。原発技術は半世紀経っても全く進んでいません(12頁)。イチエフ事故は、いまなお収束していません。アンダーコントロールどころではないにもかかわらず、国も東電も事故の究明について後ろ向きです。誰も責任をとらないのが一番の問題だと思うのです(22頁)。原子力なんてやればやるだけ、電気の単価が高くなっていって、日本は今や世界一電気代の高い国になってしまった(37頁)。2016/02/09
白河清風
2
小出裕章氏が2015年3月に京都大学原子炉実験所を定年退職するにあたり行われた原子力安全ゼミでの最後の講演内容だ。大学生の時に原子力の夢に敗れ、入所した時から原子力の廃絶が彼のライフワークとなっていた。幸い志を同じくする4人の先輩、後輩に恵まれ、一研究者として自分のやりたいことに集中できたが、福島原発事故を防げなかったことに対し己の非力さと人生の敗北感をひしと感じたと述べている。私は彼に対し感謝の気持ちでいっぱいだ。彼は在籍した41年間一度も昇進しなかったが、京大の研究者に対する許容度の高さも感じた。 2019/08/12
jack
2
小出先生も退職されたんだ。研究者の発言は、慎重で根拠があるから、反論の余地はない。 ☆5.02015/10/04
Black008
0
何が本当に正しいの問うこと、また、自らが信じる道を進む大事さを考えさせられた。どうしようもない出来事に、流されるのではなく、抗うべきなのかもしれない。このままでいいのか!2016/11/23
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