内容説明
ことばの滋養作用と笑いの強壮効果を無尽に駆使し、戯曲と小説に新しい地平をひらいた井上ひさし。人とことばと劇場空間を愛し、信頼した作家が、私たちに遺したものは大きく、深く、あたたかい。その井上ひさしの人と作品にさまざまな形で交わりをもった読み手たちが、“ことばの魔術師”の惹きつけてやまない根源的な魅力について語る。
目次
井上ひさしの三位一体―難しさ、易しさ、面白さ(菅野昭正)
小説の書き手として、読み手として(阿刀田高)
自立と共生の街、ボローニャに恋して(横山眞理子)
『薮原検校』―ことばが掘り出すもの(小田島雄志)
稽古場から劇場へ(鵜山仁)
遅筆堂にいたる七本の道(小森陽一)
ひさしとわたし―三五年のつきあいの中から(ロジャー・パルバース)
著者等紹介
菅野昭正[カンノアキマサ]
1930年生まれ。文芸評論家、フランス文学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
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阿刀田高氏は、 徹して庶民の味方。 恵まれない人、貧しい人に対して偽物 でないシンパシーをしっかりもっていた 人(35頁)。 横山眞理子氏は、共に生きる街、 ボローニャを取り上げている(53頁~)。 学問、食、ポルティコ、塔が百本ある、 赤い壁の街。 小森陽一氏の遅筆堂にいたる7本の道を 紹介(111頁~)。江戸の義作者から学ぶ。 文学者の評伝劇の構築。日本語へのこだわり。 ユートピア。戦争の死者の記憶。 戦争責任と戦後責任の往復。 日本国憲法の道。 2014/10/20
ハメ・ドゥースト
0
★☆☆2013/06/23