出版社内容情報
多彩な文学作品と幅広い社会的発言を遺した作家、井上ひさし。その深い関心対象となった人物をめぐる講演・評論を編む。吉野作造の憲法観、宮沢賢治の生き方、丸山眞男の戦争責任論、そしてチェーホフの追及し続けた笑い・・・・・・。真摯で、しかもユーモラスな胸の内が、小説・戯曲とは異なる直截な表現で率直に明かされる。
内容説明
吉野作造の憲法・国家観、宮沢賢治にとってのユートピア、丸山眞男の戦争責任論、チェーホフの笑劇・喜劇…。これらの思想家・作家に深く魅せられた井上ひさし氏の思いとは、いったい何だったのか。自らの知的好奇心と重ねながらそれぞれの意外な人間像を語り、その生き方と著作に今日へのメッセージを読み取る。併せて、笑いの謎とその本質に迫った傑作エッセイも収録。
目次
1 憲法は政府への命令―吉野作造を読み返す(日清・日露戦争と大正デモクラシー;「立憲」を大きく、「君主」を小さく ほか)
2 ユートピアを求めて―宮沢賢治の歩んだ道(父との関係、うつ状態;日蓮宗、家出、躁状態 ほか)
3 戦争責任ということ―丸山眞男に私淑して(「一億総懺悔」と「御聖断」;天下に三つの会談記録 ほか)
4 笑劇・喜劇という方法―私のチェーホフ(滑稽小説家の登場;笑劇の方法 ほか)
5 笑いについて(ジョン・ウェルズの笑い;アリストテレスの笑い ほか)
著者等紹介
井上ひさし[イノウエヒサシ]
1934年11月、山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生まれる。上智大学外国語学部フランス語科卒。放送作家などを経て、作家・劇作家に。72年、『手鎖心中』で直木賞受賞。小説、戯曲、エッセイなど幅広い作品を発表する傍ら、「九条の会」呼びかけ人、日本ペンクラブ会長、仙台文学館館長なども務めた。2010年4月、肺がんで死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
ちーたん
けんとまん1007
AMU
湯一郎(ゆいちろ)