高度成長期に愛された本たち

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  • サイズ B6判/ページ数 200p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000228923
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C0095

出版社内容情報

百万人が涙した『愛と死をみつめて』、松本清張の栄光と挫折、貸本界の帝王・山手樹一郎、読書サークル、映画と名作文学、全集ブーム、生き方本としての『宮本武蔵』『徳川家康』。読書ランキングから時代精神を読む。高度成長期ブックガイド。

内容説明

専門家による文学史は、必ずしも「あの時代の文学状況」の全体を映し出すものではない。では、この国の多くの読者が当時、本当に愉しみ、憧れ、また励まされた本とはどんな書目だったのか。毎日新聞社刊『読書世論調査』、『出版年鑑』の「全国ベスト・セラーズ」などの読書アンケートをはじめ、関連資料を博捜、精読し、「あの時代の文学状況」の全体像をあざやかに描き出す。

目次

プロローグ 文学史とベストセラーのうそ
1 松本清張の栄光と挫折―『点と線』『砂の器』『昭和史発掘』
2 百万人が涙した『愛と死をみつめて』
3 観てから読むか/読んでから観るか―『野菊の墓』『赤と黒』『レベッカ』
4 校外学習としての映画教室と少年少女たち―『二十四の瞳』『次郎物語』『路傍の石』
5 貸本界の帝王・山手樹一郎―『桃太郎侍』『青空浪人』『夢介千両みやげ』
6 読書サークルで勉強する/遊ぶ―『女の一生』『人形の家』『愛の終りの時』
7 全集ブームにあおられて―『旅愁』『嵐ヶ丘』『風と共に去りぬ』
8 「借りて読む」から「買って読む」へ―『宮本武蔵』『徳川家康』、そして百科事典ブーム
エピローグ 敗戦からの再出発

著者等紹介

藤井淑禎[フジイヒデタダ]
1950年、豊橋市に生まれる。慶応義塾大学文学部卒業。立教大学大学院博士課程修了。日本近現代文学・文化専攻。現在、立教大学文学部教授、立教大学江戸川乱歩記念大衆文化研究センター長。90年代初めに同時代(作品発表時)の読者による解釈を重視した“小説の考古学的研究”を提唱、以後、作家や作品を同時代の地層上に置いて考察する方法を実践するいっぽう、80年代に消滅した“作品論”の復権をライフワークとしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きさき

13
★★★☆☆:愛と死をみつめての純愛ブームの解釈が面白かった。今は本は娯楽として読まれることが多いけど、高度成長期には本は教養のひとつだった。どの家庭にも文学全集や百科事典があり、読書サークルも盛んに行われていたらしい。2018/01/09

nchiba

5
こういう本の読まれ方という方向での研究も文学研究の世界にはあるのだな。高度成長期の後半に生まれ育った僕に思い当たるのは全集ものと百科事典の流行のあたりか。貸本屋には経験がない。貸本屋や読書グループみたいなものを経て本を読む人は着実に増えてきたようだ。出版不況とかよく言われるけれど、この本を読んでみると昔と比べて本を読む人の絶対数は増えているように思える。街の小さな本屋の衰退はコンビニが広がったのと同じことで流通上の事情が大きいのであろう。本を読む人は減らない。それは電子書籍の時代でも変わらないだろうな。2010/11/13

はるゆう

1
2章まで読んだ。それ以降は流し読み。松本清張を、漱石、芥川、菊池と続く、構造的な文学の流れに位置づけているのは、「へぇ、そういうもんなのか」とちょっと意外。(というか、松本清張をよんだことないので、何ともいえないけど・・・) 「愛と死をみつめて」はタイトルは知ってるが、映画になったなぁ、くらいのことしか知らない。約50年前のことだけど、そのころからマスコミによる影響というのがあったのか、と知ることができた。 「貸本屋」ってのを見たことがないんだけど、今でもあるんだろうか?2012/06/30

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