出版社内容情報
町の小さな診療所にはさまざまな悩みを抱えたこどもたちがやってくる.そして障害をもつ実の娘との時間が,医師の目をこどもの心の深みへと開いていく.こどもの心に耳をすまして綴られた37の情景.
内容説明
小さな町の診療所の毎日は、切り回すのはパワーが要るけれど、出会いと驚きに満ちている。危機の瀬戸際で助けをもとめるこども、障害をもつこども、日常の何気ないことがらに揺れるこども…。そして大人たちも日々のしんどさと向き合い、自分を立て直しながら、こどもの傍を歩いている。自身の医師としての歳月と家族との暮らしを思い返しながら、こどもの心に耳をすまして綴られた文章を、ゆっくり味わいながら読んでください。
目次
1 幼いひとのこころ(こどもがおかあさんをさがすとき(「おかあさんをさがすうた」阪田寛夫)
泣くこども(「睫毛の虹」金子みすゞ) ほか)
2 瀬戸際のこどもたち(電話が鳴るよ(「うそ」谷川俊太郎)
がんばらなくてもいいんだよ(「こら!しんぞう」おうち・やすゆき) ほか)
3 障害のあるひととともに(スタンド・バイ・ミー(「カモン、ニコラ」白石かずこ)
かなこおばちゃん(「風」クリスティナ・ロセッティ) ほか)
4 涼とわたし(こどもの領分 親の領分(「青イ花」草野心平)
恐い夢みないで(「金魚の昼寝」鹿島鳴秋) ほか)
著者等紹介
梅村浄[ウメムラキヨラ]
1945年福岡県生まれ。小児科医・言語聴覚士。九州大学医学部卒業。北九州市の国立小倉病院勤めを経て上京。15年間にわたる重症心身障害児施設「一二三学園」勤務ののち、1990年より自宅で「梅村こども診療所」(小児科・内科)を開業した。併設している「ことばの相談室」では週2回、言語障害のこどもを診ている。また現在、日本福祉教育専門学校で言語聴覚士養成課程の学生に小児科学を教えている。東京都西東京市(旧田無市)在住
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