出版社内容情報
感情(パトス)論は,西欧の2元論的思想伝統が試される難問の1つである.プラトン,アリストテレスの倫理学とストア派の情念論を,文献学上の新たな解釈と比較によって読み直し,人間論の2つの原型がもつ独自性を明らかにする.
内容説明
本書では、近世思想における感情論にとっての二つの源泉、プラトン、アリストテレスの感情論とストア派の感情論を、感情そのものの分析と感情の道徳的生における意義という二つの視点から考えている。
目次
第1章 プラトンの感情論
第2章 プラトンにおける徳と感情
第3章 アリストテレスの感情論
第4章 アリストテレスにおける徳と感情
第5章 ストア派の感情論
第6章 ストア派における徳と感情
終章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
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プラトン『法律(ノモス)』の第4章の末が、いわゆる「法律の序文」について論じていたことを初めて知った。あれは理性ある市民への勧告であり、それを欠く単式の法律は、威嚇と強制のみとなる▲プラトンといえば『国家』なのだが、本書は『法律』や『ピレボス』も扱って教育が論じられている。2016/02/17
ペンギン練士
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感情論という語られていそうでなかなかな見つからないテーマで論じてくれていた。ゆっくりでないと私は読めなかったが、少しずつ著者の言いたいことが見えてきたときは読む価値もあったと感じた。プラトン、アリストテレス、ストア派それぞれの感情と理性、欲望の捉え方について丁寧に読みといていく。2015/10/23
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