芸術家の誕生―フランス古典主義時代の画家と社会

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 368p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000227797
  • NDC分類 723.35
  • Cコード C0070

内容説明

手職従事者としての絵師は、フランス古典主義時代に、王立絵画・彫刻アカデミー設置による画像制作の自由学芸へと格上げとともに高級専門職となり、やがては天与の才能を持つ芸術家へとその社会的表象の変化させていく。種々の方法論と膨大な先行研究を活用しながら、その経緯を総合的に跡づけた芸術社会学の労作。

目次

第1章 アカデミーの設置と職能団体の高級専門職化
第2章 線描系技芸に与えられた特権
第3章 図像制作の分散化と階層化
第4章 イメージの自由学芸化
第5章 作品を見るまなざしの理論化
第6章 「美術」の発明
第7章 「芸術家」の出現

著者等紹介

エニック,ナタリー[エニック,ナタリー][Heinich,Nathalie]
フランス国立科学研究センター主任研究員。当初、ピエール・ブルデューに師事。芸術社会学専攻

佐野泰雄[サノヤスオ]
東京大学大学院博士課程中退。一橋大学言語社会研究科教授。フランス文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ラウリスタ~

4
芸術家の誕生、正確に言えば絵師から芸術家への変化についての博士論文を基にした本。17、18世紀のフランスが舞台。アカデミー創設は職人芸であった絵画が詩人と同レベルの存在だと認めてもらおうって運動。この200年で、職人に過ぎなかった画家がいかに芸術家の一員として、さらには芸術家を代表する存在になっていくかってことが膨大な資料を駆使して語られる。26歳の博士論文だからか、引用などに誤りが多い、二次資料の頼っているなどの難点が指摘されてはいるが、それを補うダイナミックな論文。2012/12/15

tieckP(ティークP)

1
博士論文をもとにしているので、あとがきにあるようにやや間違い含みだし(訳者が知る範囲で訂正しているのは本として好感が持てる)、新書のようなサービス精神はない。ただ、17世紀フランスにおける、職人としての画家から芸術家としての画家の間にはさまった「アカデミー」期の画家の立場を社会学的に(とはいえ芸術家性への十分な配慮を感じさせて)述べた本として価値はあると思う。やや記述に章ごとの癖があるかわり、全体を通して読まなくても、特に後半の章を読むことで絵画における重要ないくつかの論争についても学べるかと。2013/02/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1218451
  • ご注意事項

最近チェックした商品