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幻視の座―能楽師・宝生閑聞き書き

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  • サイズ B6判/ページ数 344p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000227735
  • NDC分類 773.04
  • Cコード C0074

内容説明

宝生閑が能舞台に現れるとき、舞台は一挙にドラマの空間、作品の世界へと転換する。能のワキ方は、舞台の上に幻視者として座り、最後まで物語全体を受けとめ続ける存在なのである。現代能楽界最高峰のワキ方の芸は、どのような精神によって支えられているのか。一年間にわたる聞き取りの成果をもとに書き下ろされた本書は、ワキ方から見た斬新な能の世界を叙述する。

目次

第1部 ワキ方宝生閑(宝生新の思い出;観世寿夫との出会い;ワキ方の面白さ;次第と待謡 )ほか)
第2部 幻視者としてのワキ―作品論(『安宅』―最高の「富樫」役者;『井筒』―夢への掛け合い;『姨捨』―月を昇らす待謡;『大原御幸』―座ることが芸 ほか)

著者等紹介

土屋恵一郎[ツチヤケイイチロウ]
1946年東京生まれ。明治大学大学院法学研究科博士課程単位取得。明治大学法学部教授、明治大学常勤理事。芸術選奨選考委員(古典芸能部門)、芸術祭審査委員(演劇部門)を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zag2

22
世阿弥図書館本シリーズ25冊目。これまた世阿弥に直接関係はありませんが、能楽関連ということで。人間国宝の故宝生閑さんの聞き書き。そんな風に考えて演じておられたのかと、目から鱗が落ちるようなお話ばかりです。夏目漱石が謡を習ったという宝生新の孫に当たられる方ですが、ほんとうに素晴らしいワキ方でした。ワキとしては四十番あまりしか舞台を観ていませんが、もっと拝見しておけば良かったと、今さらながら悔やまれます。2022/02/04

agatarie

1
大好きな宝生閑さんのインタビュー。ワキ方としてのあり方もよくわかる。能の魅力がいっぱいの本でした。

ユキ

1
人間国宝、能楽師ワキ方宝生閑の聞き書き。 ワキという呼称は「脇」ではなく「分き」の意だと聞いたことがある。多くの能の演目において、初めに登場して舞台を作るのはワキ方である。何もない空間に彼らが現れ、名乗りを挙げることで能は始まる。そうした存在として舞台に立つという意識など、ワキ方の心境が窺えて興味深い。また個々の謡曲への解釈から、彼の豊富な知識が名人と呼ばれる芸を支えていることがわかる。 聞き手の客観性の欠如が指摘されているが、土屋氏の閑への心酔ぶりも芸の魅力を伝えることに一役買っているとも思える。 2012/11/07

ゆらゆあん

1
宝生閑さんのお話はとても面白いけれど、聞き手がもう少し客観的になれたら語り手の色々な面をもっと引き出せただろうに。芸談は語り手だけでなく聞き手の力も大事なのね。2012/04/25

さくらこ

1
宝生閑の語りはとても興味深い。筆者がこの本をインタビューではなく批評活動と位置付けるのはいいが、宝生閑(と観世寿夫)を絶賛しすぎているのは、読む方として少し白ける。2011/07/06

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