言語の基盤―脳・意味・文法・進化

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  • サイズ A5判/ページ数 572p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000227582
  • NDC分類 801
  • Cコード C3080

内容説明

伝統的な生成文法では統語論だけが生成的であると仮定しているが、それに対してジャッケンドフは本書で、音韻論、統語論、意味論が同様に生成的であるという並列機構を提案する。そして、生成的な各部門はたがいにインターフェース部門を介してコミュニケーションをとり、語彙項目がそのインターフェースの一部として重要な役割を果たすと論じる。さまざまな異なる立場の言語理論に含まれる洞察も取り込んだこの枠組みは、言語処理、言語獲得、言語使用、空間認知、社会認知、進化心理学、神経科学などとの実り多い相互作用を生み出し、言語研究が人間の本質を明らかにするという、かつて多くの人が生成文法に対して抱いた期待に応えるものであると言えよう。

目次

第1部 心理・生物学的基盤(言語構造の複雑さ;心的現象としての言語;組み合わせの性質;普遍文法)
第2部 機構的基盤(並列機構;語彙的格納対オンラインの構築;処理への示唆;機構に対する進化論的見方)
第3部 意味・概念的基盤(心的活動としての意味論;指示と真理;語彙意味論;句の意味論;むすびのことば)

著者等紹介

ジャッケンドフ,レイ[ジャッケンドフ,レイ][Jackendoff,Ray]
マサチューセッツ工科大学(MIT)で言語学を学び、1969年にPh.D.を取得。1971‐2005年ブランダイス大学言語学教授、2005年よりタフツ大学哲学教授。自然言語の意味/概念理論、統語/語彙理論、心の機構、生成音楽理論、意識、社会認知という幅広い関心分野をもつ

郡司隆男[グンジタカオ]
1981年オハイオ州立大学大学院修了、M.A.(言語学)、Ph.D.(計算機科学)。大阪大学言語文化部教授などを経て、神戸松蔭女子学院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーれ

1
図書館から借りたのですが、二週間ではとても読めませんでした。コピーした部分はしっかり読みます。2015/05/10

親橋白金(実は加藤國康)

0
「言語」の科学はきわまった。「言語は生物学」に決定。p414より。SpSは、音韻論、統語論、意味論という、言語の標準的な3分割構成の外にある。しかし、進化論的な見方を取り入れてみよう。音韻構造と統語構造を取り除いてみると、残ったものは、記憶中の概念構造の非言語的な結びつけであり、言語をもたない生物にも多く共有されているものとなる。すると、音韻構造と統語構造は、このような概念を言語として表現するために、後からくっつけた構造であると見ることができる。2007/10/03

borisbear

0
1,2,8,9,10章は言語学素人でもかなり読めると思う。例えば8章は、原初的な一語文から高度な言語に至る進化の過程で追加されてきた各要素や機能が言語をどう強化したかという積み上げ式の説明になっていて、読んでかなり理解が進んだ気がする。全体で印象的だったのは「志向性」概念の回避で、表象→認知構造、心→認知器?などあえて馴染みにくい中立的用語に置き換えてでもその悪影響を避けたいという意図を明示している。※志向性というのは「230万光年離れた対象を意味できる」などと例示される記号-対象関係のことです。2020/06/19

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