内容説明
伝統的な生成文法では統語論だけが生成的であると仮定しているが、それに対してジャッケンドフは本書で、音韻論、統語論、意味論が同様に生成的であるという並列機構を提案する。そして、生成的な各部門はたがいにインターフェース部門を介してコミュニケーションをとり、語彙項目がそのインターフェースの一部として重要な役割を果たすと論じる。さまざまな異なる立場の言語理論に含まれる洞察も取り込んだこの枠組みは、言語処理、言語獲得、言語使用、空間認知、社会認知、進化心理学、神経科学などとの実り多い相互作用を生み出し、言語研究が人間の本質を明らかにするという、かつて多くの人が生成文法に対して抱いた期待に応えるものであると言えよう。
目次
第1部 心理・生物学的基盤(言語構造の複雑さ;心的現象としての言語;組み合わせの性質;普遍文法)
第2部 機構的基盤(並列機構;語彙的格納対オンラインの構築;処理への示唆;機構に対する進化論的見方)
第3部 意味・概念的基盤(心的活動としての意味論;指示と真理;語彙意味論;句の意味論;むすびのことば)
著者等紹介
ジャッケンドフ,レイ[ジャッケンドフ,レイ][Jackendoff,Ray]
マサチューセッツ工科大学(MIT)で言語学を学び、1969年にPh.D.を取得。1971‐2005年ブランダイス大学言語学教授、2005年よりタフツ大学哲学教授。自然言語の意味/概念理論、統語/語彙理論、心の機構、生成音楽理論、意識、社会認知という幅広い関心分野をもつ
郡司隆男[グンジタカオ]
1981年オハイオ州立大学大学院修了、M.A.(言語学)、Ph.D.(計算機科学)。大阪大学言語文化部教授などを経て、神戸松蔭女子学院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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まーれ
親橋白金(実は加藤國康)
borisbear