出版社内容情報
核実験,インドとの確執,クーデターと軍事政権の樹立,同時テロ事件と隣国アフガニスタンの政権交代―南アジアで重要性を増すパキスタンの実像を,地道なフィールドワークとインターディシプリナリーな分析で示す.
内容説明
1998年の核実験、カシミールをめぐるインドとの緊張の増加、99年のクーデタと軍事政権樹立、2001年の同時テロ事件とその後の隣国アフガニスタンの政権交代―南アジアにおいてパキスタンの存在はにわかに重要性を増してきている。本書は長年にわたる地道なフィールドワークを基礎にしたインターディシプリナリーな分析により、パキスタンの民族・国民・国家について新たな視点を提供する。
目次
パキスタンの民族と国家
第1部 国民の成立(パキスタン統合の原理としてのイスラーム;バローチ民族の自由をかけた闘いとパキスタン支配;地域語のエネルギーに見る国民統合と地域・民族運動 ほか)
第2部 地域・民族の深層へ(パンジャービー民族の自文化表象とイスラーム―聖遺物の展示をめぐって;宗教マイノリティから見たパキスタン―パンジャーブにおけるクリスチャンの事例;北西辺境州農村経済の特色と国家・階層)
第3部 地域・民族を超えて(ムスリム資本家とパキスタン―ネットワークの歴史的形成過程と地域・領域への対処;社会開発から探る民族の可能性;国民の将来、民族の可能性)
著者等紹介
黒崎卓[クロサキタカシ]
一橋大学経済研究所助教授
子島進[ネジマススム]
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助手
山根聡[ヤマネソウ]
大阪外国語大学外国語学部地域文化学科助教授
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