近代―想像された社会の系譜

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  • サイズ B6判/ページ数 320p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000225830
  • NDC分類 301
  • Cコード C0010

出版社内容情報

近代とはいかなる時代なのか。その核心には,社会の道徳秩序に対する新しい思考がある。初めは何人かの大思想家の頭に浮かんだ観念にすぎなかったこの考えは,〈社会的想像〉として,どのように社会全体にまで浸透していったのか。その系譜を辿り,多様なる近代をかたちづくるものの本質を解明する。

内容説明

「社会的想像」とは、何か。近代の核心にあるものとは、何か。社会の道徳秩序に対する新しい思考の系譜を辿り、近代をかたちづくるものの本質を解明する。

目次

近代の道徳秩序
「社会的想像」とは何か
観念論の亡霊
大いなる脱埋め込み化
客体化された現実としての経済
公共圏
公と私
主権者としての人民
全面的に拡がる秩序
直接アクセス型の社会
行為主体と客体化
語りの様式
世俗性の意味
ヨーロッパを地方化する

著者等紹介

上野成利[ウエノナリトシ]
1963年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、神戸大学大学院国際文化学研究科教授。政治思想・社会思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Walpurgisstrasse666

1
問題は《近代》という概念をどう捉え、扱うか。普段は意識しないが、根底には徹底的にキリスト教文化の影響がある。古代中世が良いとは言わないが、近代が万能なわけでもないというのが、難しいところ。2011/06/15

有智 麻耶

0
どうしても宗教の話題が理解しにくいのは、日本に住んでいる私たちが社会を想像する仕方の中に宗教が位置付けられていないからだろうか。近代社会を論じる時、どうしても近代以前/以後という風に大きく括ってしまうが、本書では多種多様な近代に焦点が当てられている。アメリカとフランスが辿ってきた長い道程の違いなどは面白い。また、「社会的想像」という概念は、個人主義が蔓延した現代社会においてもなお、個人間に共通の何かがある、という可能性を与えてくれるものだと考えられる。自分にとってはかなり重い本だった。2016/07/20

КИТАРУ МУРАКАМУ

0
評価するのがむずかしいな。まずは先行文献のレビューを押さえないと、流されそう。2012/11/14

壱萬参仟縁

0
近代の価値観は落とし穴がある。効率さえよければ、規模さえ大きければ、の危険性だ。個人の人生という物語を破壊してしまいかねない、アイデンティティの問題に思えるからである。不平等や正義の問題の背後には根深い存在証明の問題が横たわっているのである(77ページ)。社会への埋め込みという表現を使っているが、ポランニー『大転換』を思い出した(78ページ)。近代という時代の魔性のような合理性、効率性、文明の浸透、これらが資本主義経済を強力に推進してきた。今日的にはグローバリゼーションで、極限まで貧富の格差を拡大した。2012/10/26

ときどきやかべ

0
社会的想像や道徳秩序、公共圏などをキーワードとして近代における権力階層の関係性を考察している。まぁ丁寧にまとめられてる。2012/05/05

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