出版社内容情報
復讐の輪舞(ロンド)が始まる――1407年11月23日、パリ街角で起きた王弟謀殺事件が、フランスを大混乱へと陥れた。中世史の第一人者が、事件をいう名の<歴史の泡>から中世社会の構造と心性を描きだす。歴史叙述のあらたな到達点。
内容説明
一四〇七年一一月二三日、パリの街角で起きたある殺人が、ひとつの社会の命運を大きく狂わせた。王国一の権勢を誇るブルゴーニュ大公のジャンが、王弟ルイを謀殺するという前代未聞の事件は、百年戦争、王の病気、教会分裂といった情勢とも相俟って、フランスを混乱と分裂の渦へと陥れたのである。暗殺には、いかなる政治・社会構造が内包されていたのか。人々はこのスキャンダルをどうとらえ、いかに対処しようとしたのか。中世史の第一人者が、事件という名の「歴史の泡」から中世社会のありようを読み解き、「事件史」の意味を問い直す。社会史を通り抜けた歴史叙述のあらたな到達点。
目次
第1部 社会の相貌(社会のイメージ;身分の階梯;秩序;無秩序;緩和の手段)
第2部 謀殺とその帰趨(事件の横顔;緊張(一四〇〇‐一四〇六年)
謀殺(一四〇七年)
大嵐(一四〇八‐一四一五年)
論争(一四一三‐一四一六年)
復讐(一四一五‐一四一九年))
著者等紹介
グネ,ベルナール[グネ,ベルナール][Guen´ee,Bernard]
1927年、ブルターニュ地方のレンヌに生まれる。パリ高等師範学校出身。ストラスブール大学講師を経てパリ第一大学(ソルボンヌ)の教授となり、1995年に同大学を定年で退くが、中世政治文化史の第一人者として活発な執筆活動を続けている
佐藤彰一[サトウショウイチ]
1945年生まれ。現在、名古屋大学大学院文学研究科特任教授。博士(文学)。研究テーマはフランスを中心とする中世初期の国制と社会
畑奈保美[ハタナオミ]
1969年生まれ。現在、尚絅学院大学非常勤講師、東北学院大学オープン・リサーチ・センターポストドクター。博士(文学)。研究テーマはブルゴーニュ支配下のフランドルを中心とした中世後期の政治社会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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