出版社内容情報
上野の地で患者と向き合い、変わりゆく町を見続けてきた。バブル崩壊、阪神淡路大震災、下町の高齢化。母の看取り。医療・福祉制度改悪への怒り。自らの老いと定年。「意地悪じいさんパワー」あふれる、愛と義憤のエッセイ集。
内容説明
地域精神医療の旗印を掲げ、上野の地で患者と向き合い、変わりゆく町を見続けてきた。バブル崩壊、阪神・淡路大震災、下町の高齢化。「悪女」だった母との闘い、そして看取り。うち続く医療・福祉制度改悪への怒り。「定年」、入院、そして自らの老いへの感慨。時に烈しく、時に温かい著者のまなざし。老精神科医が、この暗き世に贈る、ささやかなメッセージ。
目次
1 バブル崩壊と阪神・淡路大震災
2 「ぼけ」と「痴呆」の間
3 老いを生きる
4 さまざまな老いの姿―そして私
5 講演録・老いとの対話―義母と母の看取りから
6 母の死・父の記憶
著者等紹介
浜田晋[ハマダススム]
1926年、高知県生まれ。東北大学医学部大学院修了。東京大学医学部精神神経科、都立松沢病院、都立精神衛生センターなどを経て、1974年、東京の下町、上野の地に浜田クリニックを開業。地域医療への貢献を高く評価され、1992年、若月賞受賞。2007年、クリニックを後進に引き継ぎ、引退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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上高野
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人についての絶対の真実は、誰もが歳をとる(老いる)、そして必ず死ぬ。普通の人が「老い」や「死」に関心をもつのは、それらが身近なものになってからだ。親の姿から想像もできることもあるが、我がこととしてその心持ちまで実感できるかというと、心の底で「もう生きたくない」という心理を推し量るのは難しい。「長生きして下さい」などと軽々しく口にすることではない。2013/10/16
cochon_voyage
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「老いてみないとわからない。わかってもどうにもならない。少しずつあきらめていくしかないのである」 ・・・確かにそうなんだろな・・2011/02/09