出版社内容情報
監督吉田喜重が,小津作品の秘密に迫る.映画史に残る稀な達成を支えた人と思想とは-著者自身も映像作家として,巨匠と対話し続けた三十数年の蓄積から,これまでの通説を覆す作家像が姿を現す.映画作りの内側からの映像論.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
giant_nobita
2
著者が映画監督であるにしても、映画の映像は完全なる複製でしかなく、カメラを使えば誰もが映画監督になれることに、映画監督となった小津さんが絶望したという虚構を根底にした文章に、どれだけ読者が付き合いきれるかはわからないが、オカルトまがいの想像に頼った飛躍は多いにしても、彼の、映画を見る目は信用できる。「反復とずれ」、「事物のまなざし」「複数のまなざし」がキーワード。2014/01/12
JFK
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2大名作。父ありきは反復とずれ。東京物語は光と影の陰影礼讚。2017/04/29
SnowFlakeShow
0
「小津さんらしい諧謔」「小津さんらしい戯れ」というフレーズが頻出.書いてあることにはなるほどなあと思わさせられるんだが,酔ったような文体に辟易としてくる.2012/12/14