出版社内容情報
大都市江戸で花開いた多彩な民衆文化を、徳川幕府は躍起になって統制しようと試み続けた。それはなぜなのか。為政者たちが恐れた「跳梁する身体」をめぐる政治的・文化的せめぎあいの様相を、歌舞伎・浄瑠璃・戯作・浮世絵・見世物などの具体的事例に即して、文化史研究をふまえた視角から鮮やかに読み解く。江戸から明治にいたる近代転換期の歴史像への斬新なアプローチ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
1
包摂の戦略とそのアポリア: 徳川幕府のイデオロギー 都市の空間と異種混合 初期徳川時代における権力の両義性と意図せざる歴史的展開 アノマリーなるものたち 感性の構造―浮世と中間的存在 後期徳川文化におけるパロディと歴史: 貨幣、パロディ、新しい社会空間の生産 テクストと批評 パロディと表象空間 変革行為としての遊び 相対主義とフェティシズム コミック・リアリズム―転倒の戦略 グロテスク・リアリズム―カオスの戦略 近代化する日本と身体の変容: 新しい身体政治 身体としての「風俗」 権力の新形態、新たな主体2021/10/11