出版社内容情報
カリブ海の小国から出て,いかなる場所,いかなる潮流とも距離を置きながら,創作しつづけるディアスポラの女性作家による本邦初の評論集.カリブ海文学への格好の手引きであり,クレオールの限りない可能性を示唆する.
内容説明
フレンチ・クレオールの文学は、これまでマルティニックの男性作家中心に紹介されてきたが、マリーズ・コンデは、グァドループ出身の、黒人女性であり、フランス語の枠を越えた、カリビアン・ディアスポラ文学を代表する作家である。彼女は、私探しの果てしない旅を通して、カリブ海とフランス、アフリカとアメリカをつなぐ存在であり、小説家、劇作家としてだけでなく、文学理論家、黒人解放運動の歴史家としても精力的に活動している。本書はカリブ海文学への格好の手引きであり、同時に「クレオール」の可能性を大きく広げるコンデの回顧と展望の書である。
目次
第1部 私の言葉を求めて(肌の色、言葉の違いを越えて;私の「帰郷ノート」―アフリカとの困難な関係;女たちの言葉)
第2部 カリブ海文学の軌跡(サンジョン・ペルス讃;エドゥアール・グリッサンとアンティールの奪還;英雄とカニバル―アンティール文学における書き換えと侵犯)
第3部 グローバル化とディアスポラ(われわれの真実を求めて;すばらしき新世界;入る旅人、出る旅人)
著者等紹介
コンデ,マリーズ[コンデ,マリーズ][Cond´e,Maryse]
1937年カリブ海の仏領植民地グァドループに生まれる。黒人中産階級の家に育ち、16歳でパリに留学、ソルボンヌで文学を学ぶ。1960年ルーツを求めてアフリカに渡り、ギニア、ガーナ、セネガルを転々、12年間フランス語を教える。その後パリに戻って、75年に比較文学の博士号を取得。76年に処女小説『ヘレマコノン』を発表。84年、歴史小説『セグー』がフランスでベストセラーに。『わたしはティチューバ』でフランス女性文学大賞、『生命の樹』でアナイス・ニン賞、『デジラーダ』でカルベ賞を受賞。現在は、ニューヨークのコロンビア大学でカリブ海文学を教える
三浦信孝[ミウラノブタカ]
1945年生まれ。中央大学文学部教授、フランス文学・思想
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