伊藤博文の韓国併合構想と朝鮮社会―王権論の相克

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  • サイズ A5判/ページ数 438,/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000221795
  • NDC分類 210.68
  • Cコード C3021

出版社内容情報

韓国併合に至る植民地化の過程を、伊藤博文を始めとする政治家の統治構想、朝鮮半島をめぐる国際関係、朝鮮社会を軸に考察した最新の研究成果。複数の併合論の存在や伊藤の併合構想が挫折した要因を明らかにする。

内容説明

日露戦争から韓国併合(一九〇四‐一九一〇)に至る日本による朝鮮の植民地化過程を、伊藤博文をはじめとする日本の政治家の植民地統治構想、朝鮮半島をとりまく国際関係、朝鮮社会の三つを基軸に考察した日朝関係の研究書。初代統監となった伊藤博文は、従来言われてきた「保護国」としての統治ではなく、実際行われた「併合」とはちがうが、もう一つの「併合」構想にもとづいて統治を行おうとしたこと、また、実際の「併合」後の朝鮮統治が武断的になったのは、伊藤の統監辞任や安重根による伊藤射殺によるものではなく、伊藤の「併合」構想が朝鮮社会に受け入れられずに挫折したことが大きな要因であったことを明らかにする。索引を付す。

目次

第1章 日露戦争と朝鮮植民地化の展開(朝鮮における近代国家構想と王権観;日露戦争下における日本の朝鮮植民地化政策;韓国保護政策構想の対立―統監の軍隊指揮権問題を手がかりに)
第2章 伊藤博文の韓国併合構想と第三次日韓協約体制(皇帝権の縮小と第三次「日韓協約」の締結;第三次日韓協約体制の成立と伊藤博文の韓国併合構想)
第3章 伊藤博文の併合構想の挫折と朝鮮社会の動向(第三次日韓協約体制の展開と挫折―韓国司法制度改革の展開過程を事例に;統監伊藤博文の民心帰服策と朝鮮の政治文化―皇帝の南北巡幸をめぐって)
第4章 併合論の相克(伊藤博文の統監辞任と韓国併合をめぐる日本政府の動向;「日韓合邦」論の封鎖―一進会・李容九の「政合邦」構想と天皇制国家原理との相克)
第5章 韓国併合(韓国併合計画の開始;韓国併合の断行)

著者等紹介

小川原宏幸[オガワラヒロユキ]
1971年長野県に生まれる。2003年明治大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程単位取得退学。博士(史学)。現在、青山学院大学非常勤講師、千葉大学非常勤講師、明治大学兼任講師ほか。専攻、近代日朝関係史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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