出版社内容情報
漢詩を真に理解するにはいくつものハードルがある.本書は若い研究者たちがそのハードルを乗り越えていくドキュメントである.陸游の詩をテキストにして師弟の間に問答が取り交わされる.師匠のコメントが絶妙である.
内容説明
漢詩を真に理解するにはいくつものハードルがある。本書は若い学徒たちがそのハードルを乗り越えていくドキュメントである。河上肇最晩年の執筆になる『陸放翁鑑賞』をテキストに用いて、師弟のあいだに問答が取り交わされる。ジョークを交えた師匠の語りはときに“高座”の如き様相を呈する。
目次
蓼の花と名妓(蓼花)
ぼやきの詩(倦眼)
杖自慢(〓杖)
酒と山の詩(飲酒望西山戯詠)
侘び住まい(幽居)
残り酒のしずく(吾廬)
病中の詩(衰病有感)
ちょっと一杯(月下小酌)
二十三年ぶりの再会(三月二十日児輩出謁孤坐北窓)
月を眺めて(八月十四日夜湖山観月)〔ほか〕
著者等紹介
一海知義[イッカイトモヨシ]
神戸大学名誉教授
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感想・レビュー
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しずかな午後
6
素晴らしい。素晴らしい一冊。神戸大学元教授・一海知義(号して半解)先生が、門弟たちと行った南宋詩人・陸游の詩の読書会の記録――なのだが、精巧なパズルを解き明かすような「漢詩を読む」ことの楽しみが活き活きと伝わってくる。丁寧に辞書を引き、典故を探し、対句をとらえ、漢詩特有のルールに注意を払う、そうして見えてくる漢詩の面白さ…! 漢詩をきちんと読解するための手順を、分かりやすく教えてくれる。関西弁の半解先生の知的だがユーモラスな口ぶりもとても面白い。非常に良書だった。2023/03/14
nori_y
6
率直に言って羨ましい。大学の授業以外でこんな風に漢詩を読む集まりがあるなら参加してみたい。市井の文化講座だとほぼ先生が講義するだけのスタイルばかりなので、本書のように皆で議論しながら訳を導くのは楽しいだろうなあ。漢詩を読む為のエッセンスがあちこちに散りばめられていて、全部メモして壁に貼っておきたいくらい素晴らしい。いいなあ。2019/09/03
もち
6
とんでもない良書だった。なぜもっと早くに読まなかったのか! 漢詩を読む面白さ、きちんと読むにはどうすればよいかが読めば分かっていくような作りになっていて素晴らしかった。2017/10/16
ひろゆき
1
おもしろくためになったが、詩を鑑賞するにあたり、ここまで典拠を探さなければ、研究者でも解釈の過ちを犯すことをみると、漢詩はそもそも、今生きる人にとって芸術の対象としてありうるのかと思う。 、2016/07/03
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