出版社内容情報
アメリカの超大国化が世界に亀裂を走らせ,イスラームへの憎悪と衝突がエスカレートしている.対イスラーム偏見によって歪められた世界認識をただし,イスラーム圏の日本に対する親愛と信頼という国際的資産を活かす提言を行う.
内容説明
湾岸戦争を契機として、アメリカの超大国化が冷戦後の世界に亀裂を走らせ、イスラームに独善的・排他的なイメージを押しつけて、敵意と衝突を加速化させている。いまこそ憎悪と報復のサイクルを脱するためにイスラーム本来の文明観を理解し、文明間の対話を積極的に行っていかねばならない。第一部で、イスラームへの偏見によって歪められた世界認識をただし、文明間対話を通して公正と平和を回復すべきことを主張し、第二部で、日本とイスラーム圏との長い交流の歴史を踏まえ、日本に対する親愛と信頼という国際的資産を活かす提言を行う。湾岸戦争、パレスチナ紛争、9・11同時多発テロ、アフガン戦争、イラク戦争など、世界の変動に触れて発表された著者の時論の精華を集成。
目次
第1部 世界の大変動とイスラーム―亀裂と衝突(イスラーム世界へ撃ち込まれたミサイル;イスラーム潮流に未来はあるか;インタビュー 脅威と報復のサイクルを止めるために―湾岸戦争とパレスチナ問題の大きなツケ;世界大変動の始まり ほか)
第2部 日本とイスラーム―公正と対話(日本とイスラーム世界との文明対話;インタビュー 日本はイスラームとどう向き合っていくべきか;イスラームの未来をひらくもの;日本の文明戦略とイスラーム世界 ほか)
著者等紹介
板垣雄三[イタガキユウゾウ]
1931年生れ。東京大学文学部西洋史学科卒業。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、東京大学教養学部、同東洋文化研究所、東京経済大学、エジプトのアインシャムス大学中東研究センター招聘教授など歴任の後、東京大学名誉教授、東京経済大学名誉教授。日本学術会議会員(歴史学)、日本中東学会会長、(社)日本イスラーム協会理事長、外務省のイスラーム研究会有職者側座長などを務めた。日本における中東・イスラーム研究の組織化に尽力し、イスラーム化研究、日本アラブ国際共同研究、中東の社会変化とイスラーム、イスラームの都市性などの共同研究を組織した
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感想・レビュー
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