出版社内容情報
リソルジメント以来の国家・社会のあり方をめぐって多様な思想・運動が激しく対立し競合し変容する「ファシズムの20年間」.19世紀以来のイタリア史の流れを視野に入れつつ現代史の複雑な諸相を精緻に分析する論文集.
内容説明
ムッソリーニ政権成立(1922年)に始まったイタリアのファシズム体制は、第2次大戦下、ムッソリーニの失脚によって崩壊。国家・社会のあり方やファシズムをめぐってそれぞれの国家観・民衆観がぶつかりあい、多様な思想・運動が対立・競合・変容するなか、イタリアはレジスタンスによる全土解放にいたる。リソルジメント以来のイタリア史の流れを視野におきながら、現代史の諸相を精緻に分析した論文集。付論として「イタリアにおける近現代史研究の過去と現代」を収載。
目次
イタリアのナショナリズム
1 自由主義とファシズム(クローチェの政治思想)
2 ファシズム体制の成立(ファシズムの成立;地方ファシズムの思想;ファシズムと共産党を巡る諸問題 ほか)
3 ファシズムの崩壊とレジスタンスの諸相(レジスタンス史の一断面;反ファシズムの諸形態;イタリアのレジスタンス ほか)
付論 イタリアにおける近現代史研究の過去と現在
著者等紹介
北原敦[キタハラアツシ]
1937年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院博士課程中退。北海道大学文学部助教授、教授をへて、現在、帝京大学教授。イタリア近現代史
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感想・レビュー
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ゲオルギオ・ハーン
22
イタリア現代史研究、とあるが厳密には第二次世界大戦期のファシズムとレジスタンスについて研究した著者の論文を集めたものなのでタイトル詐欺のような気もする。第二次大戦末期のイタリアは分裂しており、レジスタンスもローマやミラノでは別グループだった。レジスタンスは降伏したイタリア王国と共同歩調をとっていたわけでもなかった。ファシズムによりなんとか統一を保ってきたイタリアが分解されていく過程のような印象もある。2024/06/15
もくそん元帥
1
恩師の著作。今での時々本書を手に取り、先生と語り合った日々を思い出すことがあります。大学時代の思い出の本。
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- 和書
- HPウェイ (増補版)