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出版社内容情報
「主題の露出した演劇など演劇ではない」とする著者が,イプセン劇の台詞を自在に読みほぐし,『人形の家』に象徴される社会劇という枠組みに閉じられたイプセンを21世紀に解き放つ.芝居の本音の面白さが至るところで吹き出す!
内容説明
日本の近代において久しく、あの著名な『人形の家』に象徴される社会劇という枠組みに堅く閉じられたイプセン。このイプセンの戯曲の台詞の核心に踏み込み、その重層的なありようを素手で自在に解きほぐし、いま二十一世紀に解き放つ。原典をノルウェー語から全訳した著者ならではの、芝居の本音の面白さがいたるところから吹き出す、渾身の書き下し四〇〇枚。
目次
イプセンの面白さ
セリフと対話
イプセンの戯曲
『幽霊』のセリフから
イプセンのリアリズム
ノーラが踊るタランテッラ
『野鴨』の対話
『野鴨』の象徴性
『ロスメルスホルム』とフロイト
象徴劇『海の夫人』
ヘッダとピストル
イプセンの作劇術
イプセンの創作理念
イプセン略伝
人としてのイプセン
老いらくの恋
自画像劇『棟梁ソルネス』
『小さなエイヨルフ』の劇構造
『ヨーン・ガブリエル・ボルクマン』
告白劇『あたしたち死んだ者が目覚めたとき』
著者等紹介
原千代海[ハラチヨミ]
1907年生まれ。劇作家、演劇評論家。「劇作」同人。岸田国士に師事。1990年、ノルウェー王国より聖オーラフ勲章を受く。同年、日本翻訳文化賞受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ルナティック
3
戯曲を、その言葉通り読んでイイのか?と思うと、こういう風な指南書的な本は、とても有難い。解釈本は、著者によって様々であろうが、イプセンはどうも数が少ないと言うか、殆ど無いと言うか・・・なので、この本は貴重でもある。あまりタイトルを聞かない戯曲でも、丁寧に説明してくれるので、心がホクホクする程嬉しい。イプセン自身の人生を知ることが、戯曲をより深く考察することに繋がるかと思うと、これまた喜喜として読んでしまう。好きな役者さんが、イプセンを演じたので、何とか理解解釈しようとしたのが動機ですが、私も好きになったわ2014/10/24