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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
unknown
8
『千夜一夜物語』の日本への影響・受容を多層的に解き明かす、弩級の比較研究本。物語が初めて日本国内に紹介された明治から、戦前・戦後、近代へと時代の流れを辿りつつ、数々の翻訳・異本への言及や、欧米・日本文学における影響、文芸批評、映画・演劇などへの影響など、各時代の大小様々な情報も併せて網羅。興味のある章から拾い読みで攻めるもよし、情報の大海に身を任せるもよし。ちなみに、明治初期に日本で翻訳されたときの邦題は『開巻驚奇・暴夜物語』。アラビヤに<暴夜>の二文字を当てたセンスは今なお色褪せないものがあると思う。2013/07/14
takao
0
日本への受容を克明に解明。すごい本ですな。2018/09/26
鏡裕之
0
事前に『図説アランビアンナイト』で予習しておいたので、予備知識もばっちり。「あ、そうなんや。知らんけど」ということは一つもなかった。すいすい読めた。アラビアンナイトが日本にどんなふうに入ってきたのか、どんなふうに広がり、どんなふうに受容されていったのか。書籍ではどのように? 映画や演劇ではどのように? アニメではどのように? そして日本に翻訳された外国の小説ではどのように? ということを詳述した大部の著。本文は560頁余り、豊富な注や付表が400頁余りの浩瀚な一冊。非常に高価な本だが、力作だと思う。2018/02/13