出版社内容情報
ポスト・モンゴル期の始まりとなる一四世紀から一九世紀後半までを概観する「近世」グローバル・ヒストリー。宗教、奴隷貿易、感染症など多彩なテーマを軸に、大交易時代や「長期の一八世紀」を通じて世界が緊密化する一方、その構造化が進み、現在につながる多様な地域文化が創出される様子を描く。歴史教育の課題も考察。
内容説明
ポスト・モンゴル期の起点から狭義の近代が始まるまで、六〇〇年近くを概観する「近世」グローバル・ヒストリーと、その史学史的考察。宗教、奴隷貿易、感染症など多彩なテーマを軸に、大航海時代や「長期の一八世紀」を通じて世界が緊密化する一方、その構造化が進み、現在につながる多様な地域文化が創出される様子を描く。歴史教育の現場からの考察・提言も内包した意欲的な巻。
目次
展望(構造化される世界―グローバル・ヒストリーのなかの近世)
問題群(一四‐一九世紀における「パワーポリティクス」―ポストモンゴルから自由主義的国際秩序までの帝国間関係の変容;宗派化する世界―宗教・国家・民衆;奴隷たちの世界史)
焦点(アジア海域における近世的国際秩序の形成―一四・一五世紀の危機と再生;近世スペインのユダヤ人とコンベルソ―グローバル・ネットワークを含めて;商品連鎖のなかの西アフリカ―インド綿布と大西洋奴隷貿易 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MUNEKAZ
15
グローバルヒストリーをテーマに、14世紀から19世紀と長いスパンで全地域を扱う巻。奴隷、改宗ユダヤ人、インド産綿布、そして疾病と世界の一体化が進む中で、各地に伝播していったモノ、ヒトが紹介されている。まぁ理論も含めて本書の短い記述だけですべてを理解するのは無理なので、興味を持ったら参考文献で深掘りしてくれという感じ。またポスト・モンゴル帝国以降の特徴として、「陸路」から「海路」に交易のメインルートが変わったことが大きいなと。東南アジア研究での「商業の時代」というくくりは、この時期にドンピシャだと思った。2023/05/10
ポルターガイスト
3
グローバルヒストリーのみを単独で扱う番外編的な巻。グロヒスそのものの形成史や界隈の有名な本・テーマを紹介してくれているので,ここから深掘りするのにどうぞという趣きでした。2024/05/01