出版社内容情報
中世に始まった市場経済社会を戦国期の制度変革を経て引き継いだ近世。19世紀後半以降の本格的な近代化はいかに準備されたのか。
内容説明
中世に始まった市場経済社会は、戦国時代に構造的にも制度的にも大きく変革されて近世に引き継がれた。その後約2世紀半の間に、市場の統合と分業の深化による「アダム・スミス的」成長が始まり、1人あたり国内総生産(GDP)は18世紀後半には中国を追い抜き、19世紀半ばにはヨーロッパ諸国の末尾に並ぶ。日本の「スミス的」成長にはどのような特徴があり、19世紀後半に始まる日本の近代化を準備したのだろうか。新たに推定されたGDPをはじめとする生産・人口・物価・賃金などの各種経済指標を用いて、近世の経済社会を読み解いていく。
目次
序章
第1章 労働と人口―人口と都市化、移動と就業
第2章 金融―農業金融の矛盾と公債市場の安定
第3章 農業と土地用益―経済成長と社会的安定の相克
第4章 鉱工業―農村工業の拡大と鉱業の自立
第5章 商業とサービス―近世日本の市場と商業
巻末付録 生産・物価・所得の推定
著者等紹介
深尾京司[フカオキョウジ]
1956年生まれ。一橋大学経済研究所教授。研究分野:マクロ経済学、国際経済学、経済史
中村尚史[ナカムラナオフミ]
1966年生まれ。東京大学社会科学研究所教授。研究分野:日本経済史、日本経営史、鉄道史、地域経済史
中林真幸[ナカバヤシマサキ]
1969年生まれ。東京大学社会科学研究所教授。研究分野:経済史、経営史、取引システム、比較制度分析(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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