内容説明
二〇世紀前半には、既存の秩序の自明性が失われ、あらゆる前提が疑われた。この時期、政治社会への大衆の参入という新たな条件に対応すべく、さまざまな理論が噴出し、複雑に絡み合う様相を呈した。政治的主体のあり方、市場/国家関係、そして決定論と自由の相克等をめぐる多様な構想を問い直しつつ、現代の政治を理解する手がかりを探る。
目次
1 大衆と組織(ル・ボン―群衆の登場;ウェーバー―カリスマの来歴と変容;ソレル―主体の変容と想像力)
2 自由主義と社会主義(多元的国家論―伝統と革新による自由の実現;ケインズの政治哲学―経済学における社会と国家;二〇世紀前半のマルクス主義―「等価性の世界」における形式と規律 ほか)
3 共同性と政治(シュミット―自由主義批判のジレンマ;ハイデガー―存在論的政治の可能性;シュトラウス―著者の責任と読者の責任と)
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