出版社内容情報
「近代」の意味が問い直されるなか、フランス革命の衝撃に始まり、資本主義の発展と国民国家の形成によって特徴づけられてきた一九世紀の理解も揺らいでいる。ベンサム、J・S・ミル、トクヴィルからアナーキズム、プラグマティズム、社会民主主義まで、個人と社会をめぐる多様な構想を位置づけ直し、その現代的射程を探る。
内容説明
「近代」の意味が問い直されるなか、フランス革命の衝撃に始まり、資本主義の発展と国民国家の形成によって特徴づけられてきた一九世紀の理解も揺らいでいる。ベンサム、J・S・ミル、トクヴィルからアナーキズム、プラグマティズム、社会民主主義まで、個人と社会をめぐる多様な構想を位置づけ直し、その現代的射程を探る。
目次
1 自由主義の多様性(ベンサム―功利主義における倫理と統治;ジョン・スチュアート・ミル―功利主義と代議制;コンスタン―立憲主義の基礎づけを求めて;トクヴィル―権威と自由をめぐる考察)
2 社会思想の諸展開(プルードンとアナーキズム―“政治的なもの”と“社会的なもの”;ナショナリズム―国民国家とは何であったのか;ニーチェ―「神の死」以降の宗教と国家)
3 新たなる紐帯の模索(プラグマティズム―習慣・経験・民主主義;連帯の思想―福祉国家の哲学的基礎;社会民主主義―J.A.ホブスンにおける社会主義と民主主義)
著者等紹介
宇野重規[ウノシゲキ]
1967年生。東京大学。政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
20
19Cは社会の時代。背景に仏革命(ⅸ頁)。19Cは個人の不安に焦点が集まった時代(ⅹ頁)。ベンサム(小畑俊太郎氏):人間は社会的動機に基づいて、他者の幸福を積極的に思考する存在(6頁)。慈善=他者の幸福をそれ自体として追求する利他的行為(22頁)。ミル(小田川大典氏): 少数意見の尊重(32頁)はかけがえのない価値。コンスタン(堤林剣氏):大著『宗教論』はライフワーク(55頁)。制度=人間の一定合意、決定がつくる人工物。制度外、制度前的要因に規定され、精神の在り方と関連(60頁~)。 2015/05/11
陽香
2
201405272017/02/17
Moloko
1
再読したが、内容を結構忘れている部分があり、この巻のベンサムやプルードン以外はすっかり初読のような感じになってしまった。もっと基本的な事を覚えた上で深く問題意識を持ってこの本に当たらないと意味がないのだと反省の念を覚えた2017/02/18
Moloko
0
政治学の教科書ではあまり触れられない著者だったり、有名でもその思想まではあまり紹介されない思想家の政治哲学が取り上げられていて、なかなか読み応えがあった。ベンサムの描く倫理的な統治の構想や、プルードンの自由主義的な側面などの意外な奥深さを多少とも理解できた。2015/11/28
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