出版社内容情報
内に立憲主義,外に帝国主義――大正デモクラシー期の日本では,社会運動の展開や政党政治の実現と,韓国併合や大陸・南洋への帝国主義的膨張とが共存していた.満州事変・日中戦争の勃発によって終焉を迎えるまでの時代の特質を,政治・経済・国際関係・近代家族・大衆文化などさまざまな側面から描き出す.
内容説明
内に立憲主義、外に帝国主義。政党政治の実現や社会運動の進展と、帝国主義的膨張とが共存した「大正デモクラシー」の諸相を描き出す。
目次
韓国併合と植民地官僚制の形成
帝国日本の形成と展開―第一次大戦から満洲事変まで
都市民衆騒擾と政党政治の発展
戦間期の家族と女性
政党内閣、宮中とワシントン体制
「改造」の時代
大衆社会の端緒的形成
昭和恐慌と日本経済―一九一九‐一九三七年
満州事変・日中戦争の勃発と立憲政治
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takeshi3017
2
岩波書店の歴史本第17巻。軍部の台頭から満州事変、日中戦争、太平洋戦争前夜までの歴史を振り返る。韓国併合と植民地官僚制の形成、帝国日本の形成と展開、都市民衆騒擾と政党政治の発展、戦間期の家族と女性、政党内閣、宮中とワシントン体制、「改造」の時代、大衆社会の端緒的形成、昭和恐慌と日本経済、満州事変・日中戦争の勃発と立憲政治など。2021/08/15
chastiefol
1
都市民衆や大衆社会の形成に関する議論が面白かった。大正政変の議論においては、江戸時代終結からせいぜい四十数年で都市の社会階層間の相互作用、流動性がかくも高まったことに驚かされる。大量生産・消費社会の形成、マスメディアの浸透による大衆の体制内化とその限界についての議論も大変興味をそそられる内容だった。2019/12/02