出版社内容情報
大政奉還と新政府の成立から,戊辰戦争を経て廃藩置県にいたる明治維新の激動を通して,日本は近世から近代へと移行してゆく.地租改正や殖産興業などの経済的諸政策,地方自治制,官僚制,軍隊,教育制などの創出,自由民権運動や文明開化……国民国家として成立した近代日本の姿を様々な角度から描き出す.
内容説明
地租改正や殖産興業政策、官僚制・軍隊の創出、自由民権運動や文明開化…近代日本の姿を様々な角度から描く。
目次
近現代史への招待
戊辰戦争と廃藩置県
地租改正と地域社会
殖産興業政策の展開
地方自治制と民権運動・民衆運動
北海道・沖縄・小笠原諸島と近代日本―主権国家・属領統治・植民地主義
官僚制と軍隊
文明開化の時代
教育・教化政策と宗教
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
7
図書館にて。吉田裕「近現代史への招待」 近現代史学で大きな争点となった問題。その1、国民国家論争。日本の後進性を批判的に対象化する戦後歴史学から、近代国民国家形成の歩みを見る。その2、総力戦体制論。戦前と戦後は断絶してるかそれとも連続してるか。その3、明治時代の評価。その2と同様に、近代日本の歴史的後進性に着目するよりも国民国家という世界史的な普遍性の中に位置づけるもの。その4.認識論的転回。歴史修正主義も構成主義に立つものが現れる▲近現代史は戦争責任論から離れにくいねぇ2022/02/27
しびぞう
6
p19「(中略)〈歴史〉になるとは、その時代を支配した空気のような価値観から人々が自由になり、その時代を突き放して見ることができるようになることである。つまり、同時代人=体験者には見えなかったことが、次第に見えてくるということである」という文言にはっとした。この辺りに、歴史に名を連ねた人の子孫が歴史を語る上での問題があるのかもしれない。2019/09/06
takeshi3017
4
岩波書店の歴史本第15巻。明治維新から文明開化、殖産興業、富国強兵政策にいたるまで近現代の始まりとなる世を様々な切り口から見ていく。近現代史への招待、戊辰戦争と廃藩置県、地租改正と地域社会、殖産興業政策の展開、地方自治と民権運動・民衆運動、北海道・沖縄・小笠原諸島と近代日本、官僚制と軍隊、文明開化の時代、教育・教化政策と宗教など。詳細→ http://takeshi3017.chu.jp/file8/naiyou30315.html2021/07/15
へんかんへん
1
勉強がしたい2016/09/07
さとうしん
1
幕末に絡むものが「戊辰戦争と廃藩置県」しか無いが、その他の事項は近世の最終巻で扱われるのだろうか?小笠原諸島を北海道・沖縄と対比させる「北海道・沖縄・小笠原諸島と近代日本」、僧侶による教員兼務など仏教と学校教育との関係に触れる「教育・教化政策と宗教」を面白く読んだ。 2014/04/13