出版社内容情報
承久の乱で朝廷を制圧し,支配体制を確立した鎌倉幕府.しかし,その後,皇位継承問題への介入,得宗支配をめぐる内訌,モンゴル襲来などの契機を経て徐々に衰退し,滅亡する.室町時代を準備した建武政権までの歴史を辿るとともに,交通・法・身分・家・都市・民衆思想など様々な切り口から中世社会の特質を探る.
目次
モンゴル襲来と鎌倉幕府
建武政権論
宋元交替と日本
中世の交通と地域性
中世の法と裁判
中世の身分と社会集団
中世の家と女性
中世都市論
中世の民衆思想
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takeshi3017
4
岩波書店の歴史本第7巻。北条氏の得宗、元寇、足利尊氏の倒幕、建武の新政等。中世の身分制度、都市論、家と女性、民衆思想など幅広く語られる。2021/05/03
しびぞう
1
文中に「凡卑の下愚(ぼんぴのげぐ)」という文言が出てきたので調べたら平経高が書いたものからの引用とのこと。平氏でありながら「平戸記(へいこき)」なる本を書いた平経高のことが気になって気になって仕方ない。誰か平戸記の現代語訳を出してはくれぬか。2019/08/09
さとうしん
0
今巻は鎌倉時代から南北朝あたりまで。桃崎論文「建武政権論」の最後、南北朝の内乱は南朝と幕府との戦争であったが、一方南朝朝廷が交渉相手として認めていたのは幕府ではなく北朝朝廷であり、幕府が主体となっては媾和の交渉に応じてもらえないと悟った義満が、媾和のために北朝朝廷の官位を欲し、左大臣すなわち事実上の北朝の首班となって南朝との媾和へと導いたという指摘が面白かった。月報に坂井榮八郎「ドイツ史と日本史のあいだを行き来した日々」があり、氏がドイツ滞在中に日本史に関する講義を行った体験を述べる。2014/06/18