出版社内容情報
なじみ深い運動方程式やエネルギーの保存則などを数理的な側面から解説する.それらの背後に潜むより深い法則性に光をあてる.
内容説明
物理学は、実験や観測を駆使して得られた知識を数学的な法則として表現する。数学的に表現された法則は、数学独自の“物語”をもって深化していく。本書では、物理の対象としてなじみ深い質点の力学を対象に、よく知られた運動量やエネルギーの保存側などの背後に潜むより深い法則性を探っていく。物理学の数理的側面への読者の関心を呼び起こすのが本書の目的である。
目次
1 保存量と空間・時間対称性(サイクリック座標とルース修正ラグランジアン;用いる座標によらない表現法 ほか)
2 2粒子系の運動(重心運動と相対運動;相対運動の解:時間変化型と軌道曲線型 ほか)
3 物理的空間と人工的空間(保存則の原因;人工的空間:配位空間と位相空間 ほか)
4 ラグランジュ形式とハミルトン形式での保存量(ネーターの定理;ハミルトン形式と正準変換 ほか)
5 対称性とモーメンタム・マップ(変換作用の群;位相空間でのモーメンタム・マップ ほか)
著者等紹介
佐藤文隆[サトウフミタカ]
1938年生まれ。1960年京都大学理学部物理学科卒。現在、甲南大学理工学部教授、京都大学名誉教授。専門は、宇宙物理学
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感想・レビュー
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まじぇすた
3
解析力学でおなじみのラグランジアンや一般化座標の深い考察と理解ができた。記述は丁寧で、例えば1つの変数についてその物理的意味を著者の考えで詳しく説明している。サイクリック座標からネーターの定理、最後はモーメンタムマップへと、気付くと物理の数学的美しさが垣間見れます。81ページしかない本文に解析力学のエッセンスがぎゅっと詰まった良書だと思う。お値段があれなので、図書館で借りて一気に理解してしまうのが良いと思われる。2014/08/09
しょ~や
0
他の本で対称性に関する記述があったので読んだが、なかなか難しい。式を追っていくのもままならない。もう少し勉強しなければ。2014/10/14