出版社内容情報
欧米の植民地学や日本の南方史研究の蓄積のうえに第2次大戦後新たに出発した東南アジアの歴史研究は,この四半世紀の間にアカデミズムとして確固たる地歩をしめた.本講座は,地域と時代を網羅した東南アジア史の全体像を求めて日本の学界がたどりついた地平を,歴史あるいは東南アジアに関心をもつすべての人に語りかけるものである.
内容説明
19世紀、東南アジアはヨーロッパ勢力のヘゲモニーのもと、新しい植民地的領域に再編されていく。この領域はのち国民国家に受け継がれ、現代の東南アジア世界の形を作り上げる。本巻は、加速する変化の時代の東南アジアを王朝社会の変化、植民地化と国家の変容、そして都市の変容という3つの切り口から分析する。
目次
総説
1 近代への始動(阮朝―「南北一家」の形成と相克;近代への対応―19世紀王朝ビルマの社会経済変化と改革思想;もう一つの「ファミリー・ポリティクス」―ラタナコーシン朝シャムにおける近代の始動)
2 植民地化と「伝統」国家の変容(阮朝の滅亡と仏領インドシナの成立;コンバウン朝ビルマと「近代」世界;19世紀ジャワにおけるオランダ植民地国家の形成と地域把握;イギリス領マラヤ;タイの近代国家形成)
3 都市のメタモルフォーゼ(バタヴィア―オランダ支配下のメトロポリス;港市バンコクの誕生と変容;ラッフルズとシンガポールの建設―地上の楽園、理想都市、そして現実;19世紀のマニラ)
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- 和書
- 一惠 - 野水仙のように