出版社内容情報
膨大な観客が映画館の闇の中でつむいだ夢と憧れ,映画製作の現場の試行と熱気を斬新な手法で再現し,200人に及ぶ執筆・証言者が日本民衆精神と文化の本質に迫る興味つきないはじめての日本映画史.各巻写真500枚収録.
内容説明
テレビの出現にゆらぐ娯楽の王座―経済大国繁栄の陰に蓄積する若者たちの鬱屈と反抗にはじめて目を向けた日本映画の軌跡は、戦後日本の欲望と挫折を映すゆがんだ縮図となった。
目次
危機と模索(佐藤忠男)
ヌーヴェル・ヴァーグ講義(飯島正)
松竹ヌーベル・バーグの過去帳(田村孟)
『日本の夜と霧』前後(石堂淑朗)
ドキュメンタリー・未帰還兵を追って(今村昌平)
『神々の深き欲望』助監督体験(藤田傅)
ゆらぎはじめた王座(新藤兼人)
成瀬巳喜男のしごと(広沢栄)
子役スターから女優へ(高峰秀子・佐藤忠男)
『西鶴一代女』の周辺(内川清一郎)
小津監督の思い出(斎藤武市)
日本独立プロ運動史(糸屋寿雄)
『裸の島』の体験(乙羽信子)
山本薩夫の『荷車の歌』(武田敦)
今井正の現場(橘祐典)
大衆映画の世界(長部日出雄)
テレビの方法(吉田直哉・新藤兼人)
映画とテレビ・ドキュメンタリー(吉田直哉)
ホームドラムにおけるテレビと映画(山田太一)
ただやたらに映画を見た(田中小実昌)