目次
1 現代の歴史教育が抱える問題
2 歴史を学ぶことの意義
3 歴史教育と歴史研究をつなぐ
著者等紹介
山田朗[ヤマダアキラ]
1956年、大阪府生まれ。明治大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
26
山田教授:歴史教育で大事なことの一つに、歴史の現場で生きていた人がいることを実感させるということがある(34頁)。久保田准教授(当時):全国一斉学力テストで、自治体独自に4教科、うち社会も入っているところがあるという(53頁)。国数理社を。最後は英語も入ってくるだろうけど。2016/02/06
RED FOX
8
「『答えはこれしかない』という形で結論を出してしまうとその瞬間に非常に雰囲気が悪くなって」歴史、主に昭和史の研究→教育→叙述の課題と解決について。ネット先行の歴史叙述に押される歴史教育が大変そう。2023/11/15
たね
1
メモしながら丁寧に読めた。歴史教育と研究についての議論は、高大連携などで聞き続けてきたものの前提の文脈を全く知らなかったのでひたすら聞くだけだったのが悔しかったので、コンパクトにまとまっているこちらの本は非常に役に立った。教育を展開する側の概念理解、ただ問いを立てさせるのではなく問いを立てる意味そのものも意識させることが大切なんだなと思う。論述させることも実践しているが、これだけ総合型などが興隆しているのに文章が書けない生徒が増えてきているようで別の不安も感じる。2025/06/25
pinkie
0
仕事柄、目下の興味が「歴史教育と歴史研究の接点をどこにどう見いだすか」にあり、タイトルと薄さゆえの読みやすさに惹かれ購入。座談会形式で話が進んでいくこの本は、「歴史学者が歴史教育の問題点を挙げていく」点が目立っているなという印象。歴史教育と歴史研究を「つなぐ」、その点ではたしかに間違ってはいないけれど、歴史教育を専門とする側からすると、「歴史教育はかく在れ」という一方向的な話に終始し、建設的な方向にこれだけで向く内容ではなかったかなという印象。2017/06/20
有智 麻耶
0
本書では(1)過去と現在を媒介する具体的対象から入る歴史教育(2)歴史教育・歴史研究・歴史叙述の三位一体(3)歴史観形成におけるメディアの影響への注目が主張される。総じて、歴史の見方そのものを問い直す教育が求められていると言える。結論ありきの教え方に押し付けがましさを感じるのは健全なことであるため、そうした子どもに応じつつ普遍的な価値観を共有できるような教育が必要とされている。また、主権者としての国民育成を問い直すという視点は、“国民”概念を超えた市民としての資質の育成が求められていることを示唆している。2016/03/15
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