出版社内容情報
女流写真家の先駆として、雑誌『ライフ』を舞台に、大戦前夜のドイツ、建設期のソ連邦、連合軍の反攻、独立に沸く貧しいインドなど、世界での歴史的な出来事を果敢に記録した希有の作品群を集大成する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
333
マーガレット・バーク=ホワイトは、1920年代の後半から1950年代にかけて活躍した写真家。名前からもわかるように女性。巻頭に1枚だけ彼女がニューヨークの摩天楼群を撮影しているところを撮ったものが掲載されているが、彼女はクライスラービルのそうとうに上階の外の飛び出した装飾の突端(見るからにツルツル)に座って平然と準備をすすめている。さて、彼女の写真は多岐に及ぶが、最初に名を高からしめたのは産業写真である。工場やビルなどだが、たしかにそれは新しい「美」の範疇を構成するものである。⇒2022/06/26
けんとまん1007
11
モノクロだからこその部分があるかもしれない。時代が違うという部分を除いても、どこか異空間のように感じてしまうところがある。表紙のような”構造物”と人との組み合わせがそう思わせるのかもしれない。それでも、やはり人のフォーカスした写真のほうが個人的には好きだ。その人の背負ってきたもの、これから背負うものが凝縮して現れているように思えるからだ。いつも思う。プロの写真家の凄さはどこからくるのだろうか?と。観察眼、その背景にある指向・思考もあるんだろう。2015/01/09