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出版社内容情報
冷徹な眼力と的確なデッサン力で描かれた諷刺画は時代の貴重な証言である.明治中期の日本の世相・風俗・事件を版画によって活写したビゴーの素描群は近代史のえがたい史料といえよう.六百余点を収めた初の集成.
内容説明
明治20年から23年まで、横浜居留地で刊行された『トバエ』は、当時の日本の世相を冷徹な眼力で描いたもので、その辛辣な政治諷刺は、ビゴーの諷刺画の最高傑作といわれている。『トバエ』を中心に220余点収録。
目次
『トバエ』―1887(明治20)2.15―1889(明治22)11.15
『極東における古き英国』
『日仏通商航海条件』
『日本におけるヴィクトリア女王治世60周年記念祭』
『ギリシャとトルコ』
『1897年の出来事』
『極東にて』
『中国における古き英国』
『極東にて』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がんぞ
4
十数年前には快楽亭ブラック(初代)の落語にあるように金髪碧眼洋装というだけで斬られる恐れがあった、大久保卿や森文部大臣も暗殺される治安が不安な未開国。冷やかす目的で居留地在住人のためにフランス語で定期発行した『トバエ』/伊藤首相の大隈外相、榎本逓信相の手腕への評価が興味深い。薩摩閥と長州閥の対抗も描かれ日本人協力者の見識は高そう/海辺に屍体が沈んでいて無邪気な坊やが「取って」とせがむが、手にすると辟易したのを“不平等条約改正”に譬えている、日本人が帝国主義の激闘の中に放り込まれ、言論の自由が圧迫される懸念2020/03/10
あさみ
0
仕事の関係で手にした本。社会の教科書ではお馴染みのビゴーの風刺画。解説を読みながら絵を見ると、明治の日本がどのような感じだったかよりわかりやすい。ビゴーは日本を赤ん坊で表現する事が多いけど、それは、明治の日本が世界から見れば誰かに頼らなければ生きる事ができない赤ん坊のような存在だったから。久しぶりに見ると面白いね。2011/06/23
ヨウ
0
ドレスを着て三味線・唄の演奏会へ人力車で向かう婦人など、明治のおかしさを描いた絵がたくさん2010/05/14