岩波現代選書 動物は文化をもつか

ジョン・タイラー・ボナー/八杉貞雄

岩波書店（1982/09発売）

• サイズ B6判／ページ数 269,／高さ 19cm
• 商品コード 9784000075329
• NDC分類 467

出版社内容情報

保育所をつくるペンギン，集団見合いをする鳥，石であわびを割るラッコなど，本能だけでは説明できない動物の行動が多く知られている．このような例を美しい挿絵で説明しながら，動物と人間の文化の起源をさぐる．

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[MIRACLE]

動物種の文化の獲得について、生物進化の考え方をもとに、素描した本。本書での「文化」とは、遺伝による情報の伝達とは別個の、教授と学習という行動による情報の伝達だ。そこで、筆者は、生物がどのような進化によって、文化という方法を獲得したかを、運動性の獲得、中枢神経の発達（脳の発達）、群れの形成、教授・学習能力の獲得、選択行動の増加の順に、図式化している。動物種が文化という方法で自立するには、模倣や学習をとおして、質と量の面で、遺伝による伝達を上回る情報を、いかに世代間で継承できるか、にかかっている。

2014/08/29