内容説明
乾燥すると樽型に変身!真空、高温、高圧、放射線にも耐え、レンジでチンしても平気。120年間水なしでも生き続ける生物がいる―?それは体長1mm以下の微小な生物・クマムシ。不死身伝説の真偽、18世紀からの研究の歴史、試行錯誤で飼育する笑いと苦労の物語など、生物研究のオモシロさ満載。身近なクマムシの観察方法や、ファン必見の図版も多数掲載。
目次
1 クマムシってなに?(クマムシってムシ?;どんなムシか ほか)
2 オニクマムシの生活史(コケのすき間をのぞく;クマムシを飼いたい! ほか)
3 クマムシ伝説の歴史(研究の幕開け;死と復活 ほか)
4 クマムシはすごいのか?(「樽」とその耐久性;不死身なのか? ほか)
付録 コケにすむ動物を見てみよう!
著者等紹介
鈴木忠[スズキアツシ]
1960年愛知県生まれ。名古屋大学では昆虫変態に関する生理・生化学を学び、1988年同大学院を単位取得退学後、浜松医科大学で糖脂質に関する研究に従事。1991年より慶應義塾大学医学部生物学教室で昆虫の精子形成を研究し、1998年に金沢大学大学院自然科学研究科より学位取得。2000年、クマムシの世界にはまる。2005年より1年間、コペンハーゲン大学動物学博物館で海産クマムシの卵形成を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
200
この本を読むまで、クマムシの存在そのものを知らなかった。クマムシは、ムシとはいうものの昆虫ではなく、4対8本足の微少生物である。大きさは0.1〜0.8mmくらいしかない。それでもクマムシなどという大層な名前がついているのは、その体型と歩き方がクマを思わせるからだ。本書はクマムシへのこよなき愛が語られているのだが、著者は私たちが子供の頃に何かに夢中になったような心と気持ちを失わずに持ち続ける純な人なのだろう。彼のクマムシとの付き合い方は、自然科学の学究の原点を見るかのようだ。2014/09/20
アナーキー靴下
76
クマムシ、宇宙へ…というニュースで知名度を一気に上げた生物だと認識しているが、実際はどうだろう。少なくとも私の場合はそんな感じで、最強の不死身生物クマムシが宇宙に放たれた、という都市伝説的イメージがいつのまにか頭の中に定着していた。この本はそんな怪物化した想像上のクマムシを解体しつつ、絵や写真を交えながら、愛情たっぷりに等身大のクマムシの魅力を伝えてくれる内容で、ボリュームは少ないのに読み応えのある良書。クマムシの樽状態はSFの世界だよな、と思っていたところに懐かしのシーモンキー! クリプトビオシス!2021/06/18
たまきら
42
ティーンズコーナーより。…っていうか、なんでこれティーンズコーナー?この変わった「ムシ」のタフさには世界中の人が仰天しているわけですが、この本は研究者が「ほんとウチの子かわいいでしょ!?」とプレゼンしまくっており、子どもから大人まで全ての人がピュアに楽しめる内容となっています。私の中の小学生がクマムシのウンチネタに大喜びし、琥珀好きな自分が「クマムシ入りの琥珀かあ!」とワクワクしました…たとえ肉眼で見えないとしても。は~楽しかった!2025/01/14
tom
20
最近ときどき話題になるクマムシ関連の本。図書館で見つけて、これは面白そうと、期待して借りてきた。なんせ、超高温、超低温、放射能も平気、どんなところでも乾燥状態になって生き続ける。何百年でも生き続けるというイメージの生物。この本をよんで、ずいぶんと可愛らしい姿形をしているということも知る。でも、私の思っていたイメージは、ネット情報で形成されたいい加減なデマに基づくものということを知って愕然。何百年も生きるという話ですら、ほとんど眉唾、ごくわずかな観察結果が都市伝説に化けたものらしい。笑ってしまった。2015/08/15
calaf
18
クマムシなんて名前も聞いた事がなかったのですが、小さな(数百ミクロン)生物らしい。乾燥や真空、放射線に対する耐性もあるらしい。かわいい形をしているらしいが...これは主観が入り込んでいるのでどうでも良いか。それにしても、生き物っていろいろいるもんだなぁ...2013/03/28