内容説明
一国の人民の境遇が平等になるにつれて、個人はより小さく見え、社会はより大きく映る―トクヴィル(一八〇五‐五九)は、国民の平等化が進んだ民主的国家にこそ生じる強力な専制政府の脅威を予言、個人の自由の制度的保障を主張する。
目次
第3部 デモクラシーが固有の意味の習俗に及ぼす影響(境遇が平等になるにつれて、どのように習俗を和らぐか;デモクラシーはアメリカ人の普段の付き合いをどのように簡素でくつろいだものにするか;アメリカ人が自分の国ではあれほど神経質でないのに、われわれのところに来ると傷つきやすくなるのはなぜか;これまでの三章の帰結;デモクラシーは従僕と主人の関係をどのように変えるか ほか)
第4部 民主的な観念と感情が政治社会に及ぼす影響について(平等は本来人間に自由の諸制度への好みを与える;民主的諸国民の政府についての考えは本来権力の集中に好意的であること;民主的諸国民の感情は彼らを権力の集中に向かわせる点で彼らの観念と一致すること;民主的国民を権力の集中に向かわせることになるか、それともこれを避けさせるか、これを決めるいくつかの特殊、偶然の原因について;今日のヨーロッパ諸国では、主権者の地位がどんなに不安定であろうと、主権者の権力は増大しつつあること ほか)