出版社内容情報
「ヨーロッパの近代的短篇にも劣らぬ、常に新しさを失わぬ芸術品の結晶」(武田泰淳)である唐・宋の伝奇物語。下巻には、「杜子春」「則天武后の宝物」「竜女の詩会」「形見の衣」「犬に吠えられた刺客」「つばめの国の冒険」「居酒屋の女」など、唐代中期から末期、五代を経て宋代までの代表的な作品を収録。(全二冊完結)
内容説明
唐宋伝奇の源流は六朝時代の怪異譚に求められるが、唐代になると、意識的に奇異なものを追求して曲折に富む複雑な筋立てにし、修辞も凝るようになる。こうして文学と呼ぶにふさわしい創作ジャンルが確立する。武田泰淳は、これを、ヨーロッパの近代的短篇にも劣らぬ、常に新しさを失わぬ芸術品の結晶であるといった。