内容説明
すべての復讐をなしとげたモンテ・クリスト伯エドモン・ダンテスは、孤独の女王エデの純真な愛情に、平和な人間らしい生活に入る決意をし、社交界を去る。長い間の憎しみから解かれた彼が残したことばは、「待て、而して希望せよ!」の一語であった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
72
あああ、とうとう辿り着いちゃった。あの名台詞。肌がざわつく。そしてもう一度。今度はつぶやきながら読む。息が漏れる。んんー、感無量である。今回はダングラールとの決着が刺さりまくった。葛藤とその苦しみが見事に描かれ、ダンテスと溶けあう至高の読書。思えば「復讐だーやっつけろー」な『巌窟王』に始まり、読むたびに違う感想を持つのは、わたしも歳を重ね、多少とも思慮深くなっているということかな。すべての人に薦めたい、エンターテインメント文学の最高峰。デュマ、ありがとう!また会おうね!2024/03/04
みっぴー
35
〈モンテ・クリスト伯7/7〉楽しい時間はあっという間に過ぎますね。全七巻、読了です。これは人生のバイブルになりそうです。仇敵全員に復讐を遂げたはずなのに、自分は間違っていたのではないかと思い悩み、十四年間閉じ込められていた牢獄を再び訪れる伯爵。そこでの地獄の苦しみをすっかり思い出した伯爵が、〝自分はやはり間違っていなかった〟と確信するシーンが実に印象深かったです。「待て、しかして希望せよ!」は座右の銘に決定です。2016/01/01
きょちょ
24
決して複雑なわけでも難しいわけでもなく、むしろ単純な話なのだが、大いに楽しみ感動した。 特に、モンテ・クリスト伯が幽閉されていた島を訪れるところなどは、ちょいと涙が出そうだった・・・。 しかしまあ、ここまでやるか!といった復讐劇だ。 ヴィルフォールに対してなどは、「やりすぎたぁ」と、彼自身が後悔するくらい(笑)。 悪いことをしてはいけません、人を陥れてはいけません! 子供の道徳教育書としても優れものだ。 ただ、児童向けにはかなり内容を集約し、どこまでの復讐劇にするかは、まとめる人の考え方次第。 ★★★★★2017/09/28
ナツメ
6
最後まで文句なしに面白かった。図書館本でしたが、近いうちに間違いなく私の本棚に並ぶでしょう笑。マクシミリヤンとヴァランティーヌはロミオとジュリエットのオマージュなのかな?復讐の物語だけど、伯爵は優しい人だったと思う。間接的とはいえ幼子の命を奪ってしまったことで復讐が正しかったのか悩み、過去を訪ねて赦しを得て、そして自らにも赦しを与える。読み始める前は痛快な復讐劇だと思ってたのに、なんなんだ最後のこの爽やかさは…!!もう伯爵ではなくなった彼の新しい人生が希望に満ちていますように。2016/04/08
tai65
2
星4・52020/01/10