出版社内容情報
芥川が小説,随筆,童話,戯曲と,その才気にまかせて様々のジャンルで試みた作品の中から,広い意味で「子どもむき」と考えられる作品を選び収めた.この作品群から,機智や逆説や諷刺,そしてまた,そうした理智の鎧で固められた奥にひそんでいる作者の,少年のような純潔で素直な魂を感じとることができる.(解説=中村真一郎)
内容説明
芥川(一八九二‐一九二七)が小説、随筆、童話、戯曲と、その才気にまかせて様々のジャンルで試みた作品の中から、広い意味で「子どもむき」と考えられる作品を収録した。この作品群から機智や逆説や諷刺、そしてまた、理智の鎧で固められた奥に潜んでいる作者の、少年のような単純で素直な魂を感じとることができる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゐ氏/きたの
2
やっぱり芥川龍之介の真骨頂は、古典の換骨奪胎にあるなあと感じた。特にあまり知名度は高くないが『老いたる素戔嗚尊』は芥川作品の中でも名作中の名作!母は子離れの話だと語っていたが、私は本当の意味ので大人になる(老いる)とはどういう事かという事を説いた作品じゃないかと思った。少し硬く仰々しい形口から素戔嗚の微妙な心理を描写するその文章に一層心を揺さぶられる。また親になって読んだら違う感想が出てくるのかな。小学生の頃すごく印象的だった『杜子春』は当時ほど感動はしなかったのは、私も捻くれてしまったのかなあ。2015/10/11
うまお
2
芥川作品は教科書で羅生門くらいしか読んだ事なかったのだけど、さすが文豪とよばれるだけあって全然古さを感じない。そして、読みやすい。 全体的に暗い感じはあるものの、ホラー好きのボクとしては好きな短編集でした。 中でもお気に入りは「妖婆」主人公達が妖術使いのお婆にどんどん呪いで追いつめられている感じが脳内で鮮明に映像かされていって怖かったなぁ。 あれ、映像化されていないのかなぁ。2013/04/29
のん@絵本童話専門
1
この岩波文庫のワイド版が非常に読みやすくて気に入っているが、こちらは比較的子どもむきな話が収められているようだ。芥川さん節の効いている、猿蟹合戦、桃太郎も。2025/03/04
紫電改
1
妖婆と桃太郎が秀逸、星新一のショートショートを読んでるいるような感じになったけと、こちらが先人なんだよね2022/01/01
たみこ
1
視点を変えた桃太郎が読んでみたくて。桃太郎がなかなかのたちの悪さだった。さるかに合戦もアイロニーたっぷりでおもしろかった。現実的にその後を考えるおとぎ話って、おもしろい。世論は厳しいですね。杜子春は昔から好きで、やっぱり好きだとおもった。あと、老いたる素戔嗚尊は初めて読んだけど、すごくよかった。2019/08/21
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