出版社内容情報
神仙、狐、鬼、化け物、不思議な人間・・・・・。中国・清初の作家蒲松齢(1640-1715)が民間伝承から取材、怪異の世界と人間の世界を交錯させながら写実的な小説にまさる「人間性」を見事に表現した中国怪異小説の傑作。
内容説明
本巻には、長短とりまぜて四一篇の怪異譚を収める。全篇ことごとく神仙、狐、鬼、化け物…。
感想・レビュー
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上巻に引き続いて狐または幽鬼との情交話が多いのはもはや何をかいわんやで、「私を理解してくれるのは、深い森の中の幽鬼や狐たちだけかもしれない」とまで言った聊斎先生の人外萌えっぷりに心底頭が下がる思い。あと、下巻の方がエロいエピソードが多い気がする。想い人と、彼女と瓜二つの姿に化けた狐との三角関係を描いた「二人の阿繍」、父の冤罪を晴らすため全力で地獄に殴り込みをかけて奮闘する「冥土での冤罪訴訟」、栞の中の美女が具現化し、ガリ勉の男をリア充へと更正させる「書中の美女」などなど、語りどころの多い話ばかりで楽しい。2011/07/27