ワイド版岩波文庫
オウィディウス 変身物語〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 366p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000073134
  • NDC分類 164.31
  • Cコード C0398

内容説明

古代ローマの天成の詩人オウィディウス(前四三‐後一七)が、ストーリーテラーとしての手腕を存分に発揮したこの作品には、「ナルキッソスとエコー」など変身を主要モチーフとする二百五十にものぼる物語が含まれている。さながらそれはギリシア・ローマの神話と伝説の一大集成である。ラテン語原典の語り口をみごとに移しえた散文訳。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェルナーの日記

51
オウィディウスは、古代ローマの大詩人で、同時代のウェルギリウスやホラティウスと併せ、ローマ三代詩人と称される。本作を含め、『恋愛術』などが有名。本作は、ギリシャ・ローマの神話物語なので、どこかで聞いたことのある物語が集められている。また、本作が後世に与えた影響も大きい。例えばシェークスピアの『真夏の世の夢』の劇中劇『ピラマスとシスピーのいともむごたらしい死』は、本作『ピュラモスとティスベ』のこと。神々や英雄など、全てローマの神々、ローマ人名に代わっていて、ギリシャ神話に精通する人は読みにくいかもしれない。2015/07/07

viola

7
シェイクスピア作品にも登場する『変身物語』。 勝手にホメロスのようなのを想像していたけれど、あれより物凄く読みやすく、よく知られているギリシャ神話の逸話が盛りだくさん。まさかこんなに読みやすいものだったとは・・・・・・。 このワイド版岩波文庫、読みやすくってお気に入りです。ふつうの岩波文庫よりもお高めですが。2010/08/06

壱萬弐仟縁

6
かつての武勇伝は何だったのか、という描写。気性も激しく、馬場では名声に輝いていた駿馬もかいばおけのそばで呻く。野猪は怒りを、鹿は俊足への信頼を、熊は猛牛を襲うのを忘れた(286頁)。見る影もない、という描写は、昔の日本でいえば、マハティールマレーシア首相のLook Eastとか、Japan as No.1とかいうのが、人口減少子高齢社会で活力低下、没落の一途を辿る、失われた20年・・・といった感じになりそうだと、ダブらせてしまった。2013/06/07

Masako Yamada

2
かくも人間的な神々よ、あまたの青年や娘たちやエコーに愛されたつれない美少年、ナルキッソス。水面に映った自分に恋をして、いのちをも失う。少年を見守り続けるエコーの声が哀切。  121頁より引用、…なつかしい泉をのぞきこんでいるナルキッソスの最後の言葉はこうだった。「ああ、むなしい恋の相手だった少年よ!」すると、同じだけの言葉が、そこから返ってきた。「さようなら!」というと、「さようなら!」とエコーも答えた。読むうちに、かれが黄色い水仙の花となった鮮やかな締めくくりにオウィディウスの文学を感じる。2017/07/22

nightowl

1
京都大学での完本出版を待っていたものの、年を越しても下巻が出ないため取り敢えずこちらの上巻を読了。絵画の元となった話が多くとても参考になった。メデューサ (「ミネルウァに見守られてピネウスと仲間を石に変えるペルセウス[http://mu1.site/fuji/gallery/gallery_11/]」が強烈)・バッコス関連が酷さもありつつ面白い。全体的には神を蔑ろにしたりゼウスの妻:ヘラのことを常に考えていないと恐ろしい目に遭うことがよく分かる。また、前出の訳本より話し言葉がドラマチック。 2020/02/20

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