内容説明
一高在学中から西田幾多郎に傾倒し、のち宗教文学に一境地を拓いた倉田百三(一八九一‐一九四三)の代表作。浄土真宗の開祖親鸞を主人公とした本書は、生き方に悩む人々の心を捉え、のち各国語に訳され、海外にも数多くの読者を得た。ロマン・ロランのフランス語版への序文を付す。
著者等紹介
倉田百三[クラタヒャクゾウ]
1891年2月23日、広島県三上郡に生まれる。1913年12月、第一高等学校を退学。1917年6月、『出家とその弟子』を岩波書店から刊行。1923年11月、『アララギ』に入会。1924年4月、雑誌『不二』を創刊。1926年5月、雑誌『生活者』を創刊。1938年1月、新日本文化の会の設立に参加し雑誌『新日本』を創刊。1939年2月、日本主義文化同盟に加入。1943年2月12日、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
5
人間 曰く、「あなたが私の健康を奪ってしまったのが私の不幸のはじまりでした」(17頁)。なんてこった。親鸞 曰く、「あなたの苦しみはすべての人間の持たねばならぬ苦しみです。ただ偽善者だけがその苦しみを持たないだけです」(60頁)。加害者なのに被害者ぶるのはだめだと思う。何度か書いているが。実在の人物もいるので。さらに、親鸞 曰く、「世のなかの不調和は、(略)人間が互い傷つけ合うては報いを受け合うところから生ずる」(142頁)。罵倒し合うのはよくないことだと。善のための美、というのがドイツ語で(278頁)。2013/05/03
decomo
2
親鸞の教えがわかりやすく書いてある戯曲なんでしょうか。場面が変わると時代が進んでしまうので、よくわからず読み飛ばしてしまいました。何か残念だなぁ。2021/01/03