内容説明
日本の諸種の「文化産物」を通してそこに表現されている「それぞれの時代の日本人の『生』を把握」しようと試みる。この観点から十七条憲法や大宝令、推古・白鳳天平の仏像、『万葉集』『源氏物語』といった古典あるいは道元の著作と生涯などを論ずるが、鋭い感受性に裏づけられたその分析の冴えはわれわれを圧倒してやまない。
目次
飛鳥寧楽時代の政治的理想
推古時代における仏教受容の仕方について
仏像の相好についての一考察
推古天平美術の様式
白鳳天平の彫刻と『万葉』の短歌
『万葉集』の歌と『古今集』の歌との相違について
お伽噺としての『竹取物語』
『枕草紙』について
『源氏物語』について
「もののあはれ」について〔ほか〕