出版社内容情報
明治も半ば過ぎ,篠田鉱造(1871-1965)は幕末の古老の話の採集を思い立つ.幕末維新を目の当たりにした人々の話は,想像もつかない面白いことずくめだった.激変期の日本社会を庶民が語る実話集.(解説=尾崎秀樹)
内容説明
明治も半ば過ぎ、篠田鉱造は幕末の古老の話の採集を思い立つ。廃刀から丸腰、ちょん髷から散切、士族の商法、殿様の栄耀、お国入りの騒ぎ、辻斬りの有様、安政の大地震…幕末維新を目の当りにした人々の話は、想像もつかない面白いことずくめだった。激変期の日本社会を庶民が語る実話集。
目次
幕末百話(江戸の佐竹の岡部さん;上野山門に屯集の賊徒ども;縁の下の力持(芝居の小道具)
水戸御用千住の鬼熊
江戸勤番むかし懺悔 ほか)
今戸の寮(錦絵のような生活;人力に曳殺さる;看板娘菊ちゃん;全盛期と没落期;三色の旗を立る ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
丘野詩果
2
報知新聞の記者であった著者が、幕末の記憶のある人間がこの世にあるうちに収録をした実話集。明治政府の高官になった者、幕臣として上層にいた者は意図的に除外されている。市井の人々の生の声というのが特徴。明治35年に編集されたものが、昭和3年に戊辰60年という事で幕末維新の回顧の風潮により、再刊された。 江戸弁の威勢のいい口調で書かれたさまざまな話は実に面白い。 自分がタイムスリップしたかのような気分で読んでしまった。2013/07/14
近内勇三
0
話は非常に興味深いが、単語の解説がないのである程度調べる根気が必要。逆に、島津三郎って誰? とか、なんで博打で寺銭なの? とか興味を持てると楽しい。2018/05/13