出版社内容情報
「ユートピア」とは「どこにも無い」という意味のトマス・モアの造語.この理想国は,自由と規律を兼ね備えた共和国で,国民は,人間の自然な姿を愛し,「戦争でえられた名誉ほど不名誉なものはない」と考えている.
内容説明
人文学者トマス・モアは理想国を描いて16世紀の英国社会を痛烈に批判する。
目次
第1章 国家の最善の状態についてのラファエル・ヒスロデイの話。ユートピアの叙述、ならびに同島のよき政治、よき法律制度についての詳細なる解明を含む
第2章 都市、特にアモーロート市について
第3章 役人について
第4章 知識、技術および職業について
第5章 彼らの生活と交際について
第6章 彼らの旅行、および巧みに説かれ、賢く論ぜられたことども
第7章 奴隷、病人、結婚その他
第8章 戦争について
第9章 ユートピアの諸宗教について
感想・レビュー
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ユートピアとはモアが造った言葉で「どこにもない」という意味。荒唐無稽に感じる人もいるかも。金持ちたちが不正な手段で、また法を自分たちの都合のいいように利用し、貧乏人から搾取して安い賃金で貧乏人をこき使っている。国民全体でわければ幸せになれるものを少数の金持ちが独占して国を疲弊させているというモアの怒り。貨幣こそこの世の悪の根源だと説く。ユートピアでは金銀は軽蔑されている。ユートピアは合理的で理性的だ。私有を廃しすべてを共有する個人繁栄より公共繁栄。プラトンの国家がベースになっている。2014/08/06