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ワイド版岩波文庫
曽根崎心中・冥途の飛脚 他五篇

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  • サイズ B6判/ページ数 384p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000071352
  • NDC分類 912.4
  • Cコード C0395

出版社内容情報

大坂は曽根崎の森で実際にあった心中事件に材を取った『曽根崎心中』,幾多の名文句でも知られる梅川,忠兵衛の『冥途の飛脚』のほか,『卯月紅葉』『堀川波鼓』『心中重井筒』『丹波与作待夜小室節』『心中万年草』と近松世話浄瑠璃の傑作七編を収める.いずれも舞台の動きが充分に理解できるよう脚注等で工夫がこらされている.

内容説明

大坂は曾根崎の森で実際にあった心中事件に材を取った「曾根崎心中」、数々の名文句でも知られる梅川・忠兵衛の「冥途の飛脚」ほか、「卯月紅葉」「堀川波鼓」「心中重井筒」「丹波与作待夜の小室節」「心中万年草」と近松世話浄瑠璃の傑作七篇を収めた。いずれも舞台の動きが充分に理解できるよう脚注等に工夫がこらされている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

はる

9
曽根崎心中のみ。徳兵衛、少し単純すぎない。7日までに旦那に戻せばよいと、油屋の九平次に証文切って三百万をポイと貸す行為は。証文は自作自演と開き直られ、心中の第一要因。遊女と添い遂ぐのは身請け。べらんぼう観てると半端ないけど。分からない古語はあるが、七五調のテンポ良い語りで、お寺参りに賑わう街が浮かぶ。軈て街に灯りが灯り、宵闇が深くなる。二人が追い込まれて行く姿が道行で最高潮に達してゆく。遊郭の囁き、心中江戸三界の唄が灯りとともに漏れてくる。丑三つの闇に霜が降り、踏み跡が連理の松と棕櫚へ続く。2025/08/17

はる

8
冥途の飛脚を読む。今までの心中ものと異なり、愛の逃避行の末、男は打ち首、女は生涯を懺悔に捧げる。飛脚商いを卒無く切り回していた亀屋忠兵衛、遊女お梅に惚れ込み通い始める。客の手形金に手をつけ、嘘で塗り意地で固めた身請けに、商人の一分を捨てた末路を描く、結果として惚れた遊女をも自分のエゴの巻き添えにしてしまうのだが。今回読んだものは、遊女と町人、一途な若者の末路、不慮の弾みが悲劇へ、全て死で贖うものばかりだった。近松門左衛門が武士を捨て、最下層蔑の芸世界に進み大成、それは杉本苑子さんの作品で知った。2025/09/06

はる

8
心中重井筒を読む。1704年に起こった事件が下地。当時の大阪地図を眺めると、舞台となる染物紺屋の万年町も、亭主徳兵衛の生まれた色茶屋重井筒屋の六軒町もあった。この話は少々複雑。入婿徳兵衛と茶屋女お房が馴染。請われての入婿なのか女房お辰が甘い。そもそも事の起こりの借金が何なのか今一見えづらいが、お房の親の借金返済の借金のようだ。べらぼう日本橋ていさんの入婿の女遊びに破産、それかと思ったが。徳兵衛それほど悪くではないが優柔不断。裏切り続けの妻に傾いたかと思えば馴染みのお房に金を持たせねばと揺れ動く。→2025/09/02

はる

7
堀川波鼓を読む。夫の江戸詰めの留守に、酒に酔った妻が浮気し、それがばれ自死の止めに夫の刃が貫く、大変哀れな世話もの。事はそこで終わらず、京の堀川に夫、その妹、弟、妻の妹四人が不倫の男を敵と討ちに行く仇討ばなし。因州鳥取藩の田舎侍が実際に起こした不倫妻殺害と不倫相手への仇討ちを人形浄瑠璃に仕立てたものらしい。仇の鼓師匠源右衛門を二階に据え、一階の討ち手彦九郎の太刀回りを人形で演じる所は見せ場だったようだ。→2025/08/27

はる

6
心中万年草を読む。高野山で起こった事件を題材に、江戸のお七の若者の情死話を被せ作られたという浄瑠璃。高野山寺小姓元播磨侍の子成田久米之助19歳と麓の紙屋娘お梅17歳の情死。高野と俗の間に横たわる女人禁制の壁と、その壁を越えた先にある厳格な観念がテーマになっている。武士に戻れないと思う若者、商いの肩に嫁入りを強いられる娘。若者の情死と身分違いの情死、世間を驚かせた事件を謡で吟じ人形で演じさせた。何処かで救われる機会があるにもかかわらず、過ちの修正機会を外しながら、事件への収束に物語されている様に読める。→2025/09/06

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